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金箔 藩政期の技復元へ 極薄手打ちや原料「現代に応用」

2021年10月15日 05時00分 (10月15日 10時47分更新)
機械で箔を打つ松村法行さん。復元ではこの作業を手で行う=金沢市福久町で

機械で箔を打つ松村法行さん。復元ではこの作業を手で行う=金沢市福久町で

金沢の伝統技術保存会

 県内の金箔(きんぱく)職人らでつくる金沢金箔伝統技術保存会が、藩政時代に用いられていた金箔の製造技法の復元に取り組んでいる。保存会の松村謙一会長(61)は「昔の製法を知ってルーツを解き明かすことで、現代の技術にも応用したい」と話す。 (西浦梓司)
 松村会長を中心に、職人らが三年計画で取り組む。当時の原料や製法の再現に成功すれば、文化財に指定されているような建造物や美術品に用いられている箔と同等のものが作れるようになる。
 藩政時代の金箔の特徴は薄さ。日光東照宮について書かれた文献などから、一ミリをはるかに下回る現代の金箔と比較しても、かなり薄いことが分かっている。
 復元で最初に取り組むのは、箔打ちの際に金をはさむ「箔打(はくうち)紙」の分析。当時使われていた紙は、泥の含有量が多かった可能性があるという。泥の成分を分析するために金沢大に協力を仰ぎ、泥が紙に与える影響を突き止め、紙のサンプルを作製する。
 復元において特に困難なのが、箔打ちの再現。現代の製法では金を打って延ばす際に箔打ち用の機械を用いるが、昭和初期までは、手で打って金を延ばしていた。だが、手打ちの技法について具体的に書かれた文献が少なく、打ち方もはっきりと分かっていないため、今後、試行錯誤して当時の製法に近づける。
 箔を手打ちするのは、松村会長の次男で金箔職人の法行(のりゆき)さん(28)。「機械でしか打ったことがないので、かなりきつい作業になる。それでも、薄く仕上がればうれしい」と意気込んでいる。

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