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泉鏡花市民文学賞に2作品    

2021年10月14日 05時00分 (10月14日 10時31分更新)
泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞し、喜びを語る烏丸健三さん(左)、中野徹さん=金沢市役所で

泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞し、喜びを語る烏丸健三さん(左)、中野徹さん=金沢市役所で

 金沢市が主催し、金沢にゆかりのある市民の著作が対象となる「第四十九回泉鏡花記念金沢市民文学賞」が決定し、共に金沢市在住の、烏丸(からすま)健三さん(66)の小説「サークル長屋とルーインズ」、中野徹さん(72)の詩集「中野徹詩集 雲のかたち」の二作品が受賞した。十三日に市役所で会見し、受賞の喜びを語った。(鈴木里奈)

烏丸さん「サークル長屋とルーインズ」

 「サークル長屋とルーインズ」は、学生運動が盛り上がった一九七〇年代半ばの金沢大が舞台。大学生活の様子に加え闘争の犯人捜しという謎解きの要素も含まれている。同大出身の烏丸さん自身をモデルに、青春の日々の回想を描いた。
 烏丸さんは退職後、コロナ禍の中で創作活動を始めた。大学時代の濃密な日々が克明に記憶に残っており、「まとめたいという創作意欲が湧いてきた」のがきっかけと話した。

中野さん「中野徹詩集 雲のかたち」

 「中野徹詩集 雲のかたち」は中野さん自身と、家族、ホテルに勤務した仕事の三つのテーマでしたためた詩を集めた。
 中野さんは二〇一〇年に金沢文芸館で詩の講座を受け、一三年から同人誌に詩を書き始めた。周りから詩集を出すことを勧められ、三十八編を選んで詩集にまとめた。「著書を出すことで詩に興味を持ってくれる人が増えれば」と期待した。
 選考委員長の蔵角利幸金沢学院短大名誉教授は「二人とも筆力がある」とした上で、烏丸さんに対しては「匂いまで感じられるほどの細密で丁寧な描写。鋭い観察力を文章に表す力がある。物語も緊張感を与える筋立てだった」とたたえた。
 中野さんに対しては「切ない記憶の場面が読む者に迫る」「人生の起伏を優しい言葉遣いでつづり、人の心を動かす大変良い作品」と評価した。
 作品は五〜七月に募集し、散文二十一作品、短詩型九作品の計三十作品の応募があった。授賞式は十一月七日、金沢市下本多町の金沢歌劇座で開かれる。

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