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【ラモス評論】オーストラリア戦『MVP』は森保監督 負けたら監督がダメだとか、解任だと騒ぎ立てるのはもうやめよう

2021年10月12日 22時36分

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試合後、笑顔を見せる森保監督

試合後、笑顔を見せる森保監督

◇12日 サッカーW杯カタール大会アジア最終予選 日本2―1オーストラリア(埼玉スタジアム)
 1勝2敗でB組第4戦を迎えた日本が難敵オーストラリアに競り勝ち、通算2勝2敗の勝ち点6とした。
   ◇   ◇
 日本代表の戦いぶりに、胸が熱くなった。絶対に勝つ、何が何でもゴールを奪うんだという執念が、ヒシヒシと伝わってくる。立ち上がりから攻め続け、前半3分、5分と立て続けにビッグチャンスを迎える。そして同8分、待望のゴールが生まれた。南野のクロスから田中が落ち着いて決める。
 後半25分に強烈なFKを決められ、同点とされたが、誰ひとり、うつむく選手はいなかった。4人の交代カードを使い、攻め続ける。そして後半41分、浅野のシュートがオウンゴールを生み出した。泥くさいゴールだが、そんなことはどうでもいい。勝ち点3を奪い取ることがすべて。素晴らしい戦いぶりだった。
 試合を見ながら、私は28年前の死闘を思い出していた。ドーハで行われた米国大会アジア最終予選。サウジアラビアとの初戦で引き分け、第2戦のイランに敗れた私たちは、崖っぷちに追い込まれた。そして絶対に勝たなければならない北朝鮮戦、オフト監督はカズ、高木の2トップからカズ、中山、長谷川の3トップに切り替え、中盤は私、森保、吉田。4―3―3の攻撃的布陣で、勝負をかけた。
 このシステムはオフト監督の勝ちにいくぞ、絶対にゴールを奪うぞという強烈なメーセージとなり、選手全員がそれを感じ取っていた。そのメッセージは、応援してくれたサポーターにもはっきりと伝わった。
 北朝鮮に3―0で快勝。次の韓国戦も1―0。この時点で日本はトップに立った。最終戦、イラク戦でのロスタイムの失点で私たちのW杯出場という夢は破れたが、あの戦いが日本サッカー界発展の礎になったという自負は揺るぎない。
 森保監督があの戦いを思い浮かべて4―3―3システムを採用したのかどうかは、知るよしもない。しかし今最終予選、サウジとのアウェー戦敗戦からわずか中4日で、これまでやったことのない4―3―3システムを構築し、コンパクトかつアグレッシブなサッカーでもぎ取った勝ち点3は果てしなく大きい。
 戦いながら森保監督は大胆かつ戦略的な指揮官へと成長している。何よりも窮地で全員を結束させた手腕、人間性に魅力を感じる。負けたら監督がダメだとか、解任だと騒ぎ立てるのはもうやめようよ。森保監督を信じ、サポーターも団結し、この攻撃的なサッカーでアジア最終予選を最後まで突っ走ろう。私は断言する。オーストラリア戦のMVPは森保監督である。(元日本代表)

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