【雨乃日珈琲店だより ソウル・弘大の街角から】(22) ラオスでの出会い

2019年10月26日 02時00分 (5月27日 05時07分更新)

アジアはつながっている

 遅い夏休みを取り、ラオスの首都ビエンチャンに行ってきた。メコン川のほとりにある小さな町だ。韓国人に人気の旅先のひとつで、仁川(インチョン)から格安航空会社(LCC)をはじめ多くの直行便が出ている。私たちはその便は使わず、対岸タイのノンカイから陸路でメコン川上の国境線を越え、その街へと向かった。

ビエンチャンの中心地にある「cafeango」=ラオスで

 ビエンチャンには行きたいお店があった。日本人の博士さんと絵里佳さんが四年前から運営している「cafe ango(アンゴ)」だ。陶芸家の絵里佳さんは金沢で作家活動をしていたことがあり、直接お会いしたことはなかったが、知人を通じてお名前を知っていた。
 訪れてみると、おふたりも当店のことを知ってくれており意気投合。三日間の滞在中、連日おじゃましては美味(おい)しいコーヒーと料理に癒(いや)されたうえ、おふたりからラオスでの挑戦の日々を聞いて大いに刺激を受け(彼らに比べたら、国内移動のような感覚で行き来でき、価値観も金銭感覚も大きく違わない韓国での起業は、ハードルが低めだと思う)、同じく海外でカフェを経営する日本人として大いに共感もした。
 アンゴを訪れた西洋人のお客が片言の日本語で注文しようとし、韓国人のお客がフードや店内をあらゆる角度で撮影している様子は、まるで雨乃日珈琲店での一コマを見ているようでおかしかった。

「川」(2019年)メコン川を思って。

 アンゴには毎晩興味深い日本人が訪れ、彼らに出会えたのも刺激的だった。ラオスで起業する日本人たちのほか、バンコク在住の日本人カップルもいて、話を聞くと意外と共通の知人が浮上し、アジアは地続きでつながっているという思いを深めた。そのつながりの中心点のひとつがアンゴであり、韓国の当店もそのような場所になれたらと思った(陸路で他国につながる日を夢見つつ)。
 ソウルに戻ってから、ラオスで買いつけた籠や布をお店で展示販売したり、弘大近郊で韓国人が経営するラオス料理店を訪れたりしながら、今度はどんなルートでビエンチャンに立ち寄ろうかと思いを馳(は)せている。(しみず・ひろゆき=ライター、いけだ・あさこ=書家、金沢市出身)

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