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若手作家を応援 全国四つのスペースが連携巡回展

2021年10月9日 05時00分 (10月9日 14時33分更新)
京都のギャラリー「Art Spot Korin」で開かれた植松ゆりかさんの個展=京都市東山区で

京都のギャラリー「Art Spot Korin」で開かれた植松ゆりかさんの個展=京都市東山区で

「金沢アートグミ」も30日から

 美術館など既存の施設とは一線を画した展示空間「オルタナティブスペース」を運営する四府県のギャラリーや団体が、運営者同士の連携を深めようと、ネットワーク組織を立ち上げた。巡回展を企画したり、共通のアートプロジェクトを展開したりして、若手作家らに活躍の場を提供する。
 組織の名称は「CUT&PASTE」(カットアンドペースト)。愛知県瀬戸市の「タネリスタジオ」、前橋市の「マエバシワークス」、金沢市の「金沢アートグミ」、京都市の「Art Spot Korin」(アートスポットコウリン)の四団体が参加した。いずれも現代アートの潮流にとらわれない実験的な企画を打ち出してきた場所で、一部は作家の活動拠点にもなっている。
 ネットワークを立ち上げたのは群馬県在住の美術家、川松康徳さん(37)。自身も滞在制作やグループ展で国内外の作家と交流する中で、「地方で独自に活動する人たちがつながり、それぞれの創作や表現を独自に伸ばしていく機会や状況を作り出せないかと思った」と振り返る。コロナ禍により海外はもちろん、国内でも他地域の作家との交流がしぼんでしまったことへの危機感もあった。昨年から各地の団体に声をかけた。
 最初の活動として今年四月、タネリスタジオのメンバーである美術家・植松ゆりかさん(32)の個展をマエバシワークスで開催。展示は九月は京都で開き、十月三十日からは金沢に巡回する予定だ。タネリスタジオ代表で画家の設楽陸さん(35)は「作家は制作しているとどうしても孤独になってしまうところがある。制作や発表、交流できる“ホーム”が増えるのは心強いはず」と意義を語る。
 カットアンドペーストは来年度に向け、各団体から推薦された若手作家に、マエバシワークスが受け入れ団体となって滞在制作してもらう企画も進めている。川松さんは「負担となる活動ではなく補完し合える活動として、それぞれの独自性を維持できる形で進めていくのが理想。今後も参加する団体を募りたい」と話している。(宮崎正嗣)

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