地球守る 第一本に 大麦ストロー北陸から全国へ

2019年10月5日 02時00分 (5月27日 05時06分更新)

飲食店で好評 注文相次ぐ

 プラスチックごみによる海洋汚染が国際問題となる中、産地として知られる石川県小松、福井両市内で生産された大麦を使ったストローが発売され、全国の飲食店で好評だ。大量生産に向けて課題は残るが「普段の生活を見直したり、プラスチック製品との付き合い方を考えたりするきっかけになれば」と願いが込められている。(蓮野亜耶)

小松市産の大麦を使ったストローを持ち、「プラスチック製品との付き合い方を考えるきっかけになれば」と話す蒲田ちか社長=金沢市十間町で(蓮野亜耶撮影)

 小松産の大麦を材料としているのは金沢市の食品企画ロータスコンセプト。蒲田ちか社長(49)が「土に返る大麦ストローなら地球環境への意識を変えられるかも」と、昨年夏から試作を重ね、今年八月に発売した。鼻にストローが刺さったウミガメの写真をインターネット上で見て、海を守りたいという思いに駆られたのがきっかけになった。
 小松市の嵐農産の協力で刈り取った麦の茎を無償で提供してもらった。できあがったストローはツルツルとした表面で、口当たりはプラ製品と変わらない。使用後は、プランターに挿せば肥料になる。今年は二十四万本を生産。金沢、石川県珠洲市内のホテルやカフェをはじめ、首都圏の飲食店でも扱いを始めた。
 乾燥させ、茎のカットと煮沸消毒は県内の障害者施設に依頼しており、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)の目標(8)「働きがいも経済成長も」を達成させる狙いもある。蒲田社長は「誰一人取り残さないというSDGsの精神を広める力にもなる」と力を込める。
 六条大麦の一大産地の福井市では、食品販売の「福井大麦倶楽部」が七月に大麦ストローを発売した。同社では購入者に大麦ストローをプレゼントしており、環境意識の高まりを受けて商品化に着手。今夏は五万本を生産し、大手企業から数万本単位の注文の問い合わせがあった。
 大麦ストローの生産には手間暇がかかり、需要は高いが量産化が課題となっている。倶楽部の担当者は「機械化できる部分を模索している」と話す。
 海洋プラスチックを減らすという問題意識から始めたが、両社は「大麦ストローで問題が解決するわけではない」と口をそろえる。蒲田社長は「プラ製品が本当に必要か、どんな場面で活躍するのかなど議論を進め、環境に悪影響を与えない使い方などについて一人一人が考えるきっかけにしてもらいたい」と語る。

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