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焼津港のカツオ盗難 計量の人手不足悪用か

2021年10月8日 05時00分 (10月8日 05時02分更新)
 カツオの街で知られる焼津市で発覚した冷凍カツオの盗難事件。静岡県警は七日、関与したとされる仲買業者の幹部と運送会社の社員二人を逮捕した。関係者からは「焼津港の魚市場では三十年ほど前から、カツオが盗難されているのではないか」という疑惑の声が上がっており、県警は他の漁業関係者の関与の有無などを捜査している。
 焼津漁協によると、焼津港に入港した漁船のカツオは魚市場で競りに掛けられ、各社の仲買人が数十トン単位で購入。競り落とした順番にカツオをコンテナに入れて運送会社のトラックに積み込み、トラックごと計量所でカツオの重さを量り、競り落とした分量を運搬する。
 計量作業は本来、漁協職員が担う業務。だが、実態は職員の人手不足のため、運送会社の運転手が計量していたという。今回の手口は、それを悪用したとみられる。
 仲買業者の水産加工会社「カネシンJKS」常務取締役の奥山善行容疑者(47)の指示で、運送会社「焼津港湾」社員の白鳥賢(さとし)(47)、杉山智良(43)の両容疑者が計量せずに数トンのカツオをトラックで持ち去ったり、計量していないカツオが入ったコンテナを後からトラックで回収したりして、盗んだとされる。
 焼津港に水揚げされるカツオは、さおを使ってカツオを釣り上げる「一本釣り漁」と網を使って一度に大量のカツオを取る「海外巻き網漁船」(通称・海巻(かいま)き船)と呼ばれる二つの漁法の漁船が入港している。今回被害に遭ったのは、海巻き船で水揚げしている船会社のカツオ。一度に大量のカツオを取るため、実際に水揚げされた一部が市場でなくなっても気付かれにくい側面もあるという。
 被害に遭った極洋水産の関係者は「乗組員が命を懸けて取ってくるカツオが盗まれていたなら、憤りを感じる」と怒りをにじませた。長年の疑惑に入った捜査のメス。「これは氷山の一角。全容をしっかり、徹底的に追及してほしい」と強調した。

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