街、環境、人づくり実践 宗重商店(金沢市)

2020年4月14日 02時00分 (5月27日 05時06分更新)

解体工事、不用品回収や保育も

【上】SDGsの取り組みを説明する宗守重泰社長=金沢市で 【下】引っ越しをする学生らの不用品をトラックに積み込むスタッフ(宗重商店提供)

 解体工事業の宗重商店(金沢市)は昨年四月にSDGsに取り組むことを宣言した。本業以外のさまざまな事業に乗り出し、街づくり、環境づくり、人づくりの三本柱で多くの目標達成に向けた取り組みを実践する。
 「解体工事は古い建物を壊すだけでなく、新たな街づくりの一役を担っている」。そう考える宗守重泰社長(45)は、社員に仕事への誇りを持たせるとともに地域に親しまれる活動に力を入れてきた。
 ひとつのきっかけは地域の幼稚園児らを招いて二〇一六年に始めた「はたらくクルマ体験会」。まるで自分の手足のように重機を操る社員の姿に、子どもたちが尊敬のまなざしを送っていた。「俺たちの仕事って、かっこいいんだ」。そう再認識させられた宗守社長はそれ以来、「魅せるむねじゅう」を会社のスローガンとしてきた。
 作業で生じる振動、騒音、粉じんを決してゼロにはできない。ただし「近隣住民へのご迷惑を最小限にする配慮には業界の中でも自信がある」。身だしなみや作業の安全確保はもちろん、解体後の清掃活動も徹底する。地域との共生を意識した取り組みは、SDGsの分野別目標(11)「住み続けられるまちづくりを」に位置付けている。
 解体工事で廃棄される木くずを燃料チップに再資源化するなど、限られた資源の有効活用も心掛ける。人手不足による「引っ越し難民」が問題となった二年前には荷物を楽に処分したいというニーズが高まり、金沢市内の不動産会社と連携して学生や一般向けの不用品回収・買い取り事業も始めた。
 「私たちには人手も運搬車両もあった。困っている人がいるなら、やるべきだと思った」と宗守社長は振り返る。不用品は国内での販売のほか、発展途上国に向けても輸出。目標(1)「貧困をなくそう」などを目指している。
 一六年には金沢市内で「モンテッソーリ教育」を取り入れた保育事業にも参入した。イタリアの女性医師が提唱した幼児自身の自立的な成長を促す教育法で、将棋の最年少棋士、藤井聡太さんも受けていたことで知られる。教育者側と保護者側の需要と供給がありながら経営者がいなかったため、手を挙げたという。「うちの社員の教育方針は大家族経営。モンテッソーリの子どもたちから学ぶこともあると思う」と宗守社長。目標(4)「質の高い教育をみんなに」などに通じる事業として、将来の人づくりに情熱を注いでいる。 (中平雄大)

最重点目標

【会社メモ】宗重商店=1939(昭和14)年に創業。解体・リサイクル業を主力に不動産事業や遺品・生前整理サービスなども手掛けている。営業地域は北陸3県に加えて滋賀県、岐阜県など近隣にも展開する。従業員数は55人。うち3割を女性社員が占め、女性の活躍も推進している。本社は金沢市畝田西1。
【メモ】SDGs=「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。

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