ラオスで人材を育成 西野工務店(福井県若狭町) 幅広い建築、古民家再生も 

2020年4月28日 02時00分 (5月27日 05時06分更新)

     最重点目標

 大型ショッピングセンターから一般住宅まで建築を手掛ける西野工務店(福井県若狭町)。日本の木材加工技術を伝承しようと、二〇一二年から東南アジアの途上国ラオスで人材育成に取り組んでいる。現地の職業訓練校との協力や日本での実習など、人材育成システムをつくり上げることが(17)「パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまると考えている。
 国内の建築業界は受注が飽和状態で職人の高齢化にも直面しており、海外に目を向けた。コンサルタントからラオスを紹介され、一二年に第二の都市パクセーを視察。現地の人たちが自ら材料を調達し、親戚たちと家を建てている姿を見て、久池定光社長(57)は「ラオスの建築業界には未来がある」と感じたという。

建具職人(中)から資材の加工を学ぶ研修生たち=福井県美浜町の美和木工で(西野工務店提供)

 同年十二月には国際協力機構(JICA)の海外展開支援事業に選ばれ、現地の職業訓練校に木材加工機械を設置。建築を指導するリーダーも不足していたため、リーダー育成と技術者育成を同時に進めた。会社からも工場長や職人が約二週間ずつ訪れ、指導に当たった。
 職業訓練校では若者十五人に指導したが、建築の経験はあっても、母国語の読み書きすらできない人もいた。そこで、出来上がった建築模型を展開して図面を書くなどの勉強法を導入。完成品を先に見ることで、完成度が高く、すぐに使える資材を作り出すことにつながった。
 一七~一九年には、訓練校から研修生計九人を日本に呼んで実習。現在もうち二人が技能実習生として職人たちと同じ寮で暮らしながら学んでいる。仏教国のラオス人は目上の人に尊敬の気持ちが強く、職人たちも「孫みたい」とかわいがり、信頼関係を築いている。
 今年六月には現地法人「LaoNISHINO(ラオニシノ)」を設立し、訓練校の卒業生の雇用を始める。いずれは職人となって独立し、さらに次の人材育成につながることを期待している。
 久池社長は「海外での人材育成のモデルケースになれば。日本で人手不足の農業や介護などの業界にも広がってほしい」と願っている。 (籔下千晶)
【会社メモ】 西野工務店 1968(昭和43)年7月創立。延べ3000平方メートルの木材加工場を持ち、古民家再生にも取り組む。木材だけでなく鉄筋で大型倉庫なども建築する。従業員は18人。昨年度の売上高は約8億円。本社は福井県若狭町。
【メモ】 SDGs 「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。

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