6地銀 三重の苦境 「超低金利」「与信費用増」「コロナ拡大」

2020年5月23日 02時00分 (5月27日 05時06分更新)

◇ 3月期決算 全行が減益

 北陸三県の地方銀行六行の二〇二〇年三月期単体決算は、全行が最終減益となった。超低金利で貸し出し利ざやが伸びない中、景気減速で取引先の経営悪化に備えた与信費用が増加。新型コロナウイルス感染拡大に伴う株式市場の混乱が追い打ちをかけた。コロナの影響は二一年三月期から本格化しており、各行とも一層厳しい経営を迫られそうだ。(中平雄大)
 二〇年三月期は本業のもうけを示すコア業務純益は二行が増益だったが、与信費用の増加が利益を押し下げた。米中貿易摩擦や消費税率引き上げなどによる景気減速を背景に、北国銀は前期の約三倍となる九十七億円余りの不良債権処理額を計上。北陸銀や福井銀なども新型コロナの影響を踏まえた形で貸倒引当金を積み増した。
 年明け以降は新型コロナの感染が世界中に拡大し、一月に二万四千円台だった日経平均株価は三月に一万六千円台に下落。北陸銀の庵栄伸(いほりえいしん)頭取が「肝を冷やした」と言うように、各行とも保有する株式など有価証券の含み益を大幅に減らした。富山第一銀は株式関係損益で二十七億円の損失を計上した。
 新型コロナの影響は四月以降に深刻さを増し、飲食店や観光業などは外出自粛の影響で大打撃を受けている。製造業もサプライチェーン(部品供給網)の停滞や需要減が響き、北国銀の安宅建樹頭取は「最悪のシナリオを想定して資金繰りを考えているところはたくさんある」と明かす。
 二一年三月期は四行が最終減益を予想。増益予想の福井、福邦銀も連結子会社の完全子会社化やシステム償却負担の減少が要因で、各行は取引先の資金需要に応えると同時に与信費用の増加を懸念する。前期以上の金額を想定して予想値を算出しているが「(ウイルス収束までの)期間によって影響度が全然違う」(庵頭取)と先行きの不透明感に言及する。
 福井銀の林正博頭取は「不良債権処理が増えても中小企業支援をしていかなければならない」と地域経済を支える金融機関の役割を強調。六月に北国銀の頭取に就任予定の杖村(つえむら)修司専務も「今は一にも二にも資金繰りだ」と話した。

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