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同じ128試合目でも全く違う…15戦も残してV逸の中日 25年前の『10・6』がまだ悔しい“優勝争いの重み”

2021年10月7日 11時19分

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伝説の10・6決戦を報じる中日スポーツ1面=1996年

伝説の10・6決戦を報じる中日スポーツ1面=1996年

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇6日 中日3―7広島(バンテリンドームナゴヤ)
 優勝の可能性が消滅することを、野球界では「ぶいいつ」と言う。読んで字のごとくVを逸する。今季は10月2日。128試合目で、数字上の可能性も消えた。
 25年前の「V逸」の話を書く。1996年10月6日。チーム関係者は「10・6」と呼ぶ。ナゴヤ球場ラストゲーム。敗れた長嶋巨人が、最大11・5ゲーム差をひっくり返す「メークドラマ」を完結させた日でもあった。
 「(投手が新人の)門倉だったんだから、主導権を握ってやらないといけなかった。投手任せにして、押せなかったことに今でも悔いがある」
 当時の正捕手、中村バッテリーコーチの述懐だ。同点の3回、マックに浴びた3ランが決勝点になった。追い込んでから、中村のサインは決め球のフォーク。「一番空振りを取れる球種」が根拠だった。門倉は首を振る。もう一度フォークを要求する。それでも首を振られ、中村は譲った。打たれたのはスライダー。「そら見ろ」と投手を責めるのではなく、押せなかった自分を責める。それは25年たった今も変わらない。
 捕手には2種類ある。打者が嫌がる球を要求し、投手を導くリード型と、投手が投げたい球を中心にする伴走者型だ。前者の代表格が古田敦也なら、中村は典型的な後者だった。しかし、あの1球だけは強引に導くべきだった…。
 「どっちのタイプがいいのかは、わからないけどね。(リード型は)難しい球も要求されるから、投手が嫌がる部分はあるだろうけど、古田さんを見習いたいと思ってもいたから」
 128試合目の「V逸」を、昨日のことのように悔しがる。捕手の覚悟と責任を改めて知る。3連勝すれば巨人と並び、再びの「決戦」だったが霧散した。しかし「V逸」=優勝決定日だったのだ。同じ128試合目でも今季の「10・2」と「10・6」は全く違う。優勝とは言わないが、優勝争いは義務である。15試合も残しての「V逸」の罪深さを、胸に刻むべし―。

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