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本紙連載「能登絶唱」冊子に 近代文人の詠み残した作品巡る 

2021年10月7日 05時00分 (10月7日 10時28分更新)
本紙能登版の連載を冊子にまとめた藤平朝雄さん=七尾市で

本紙能登版の連載を冊子にまとめた藤平朝雄さん=七尾市で

  • 本紙能登版の連載を冊子にまとめた藤平朝雄さん=七尾市で
  • 藤平朝雄さんがまとめた冊子の一部

藤平さん 旅路として提言したい

 能登半島広域観光協会相談役で県観光スペシャルガイドの藤平朝雄さん(82)=輪島市町野町曽々木=が、本紙能登版で今年四〜八月に計十二回連載した「詩歌巡礼十二景 能登絶唱うたの旅」をまとめた冊子を発行した。折口信夫(しのぶ)や松本清張、与謝野晶子ら著名な近代文人が詠み残した作品を巡る十二の物語のゆかりの地は、能登の奥深い魅力を伝える名所ばかり。藤平さんは冊子をフル活用し旅路としての半島の魅力発信に努める。(室木泰彦)
 輪島市に移住し五十二年の藤平さん。観光名所の一つ曽々木海岸の窓岩そばで暮らし続ける。元々文学に造詣が深いが、人一倍の行動力と旺盛な好奇心から能登の歴史、文化、自然、人間模様にも詳しく、執筆や講演などで魅力を発信し続ける。そうした中で「能登には多くの魅力ある客人(まれびと)の『うた』が置き土産として残る」と常々感じ、今回半島を訪れた文人の足跡をたどる十二カ所を選び、多くの文人同様に時計回りで半島を巡る趣向で連載した。
 長年見聞し蓄積した情報を基に、文人らが能登を巡った経緯、迎えた地元関係者らとのエピソードなどを紹介。時に主人公らと食事を共にするなど豊富な人脈から実現した親交があってこその秘話も披歴した。能登への旅人から地域に溶け込む住人となった自身の境遇から、客人として半島の地を踏んだ文人たちへの共感もにじみ出る内容。能登の風土、そこに住む人たちの生きざままで伝える連載として反響を呼んだ。
 冊子はB4判で十四ページ。連載紙面をすべてそのまま掲載した。藤平さんと長年親交があり共著もある羽咋市の写真家、渋谷利雄さん(85)=日本写真家協会会員、北陸中日写真協会本部委員=も協力。能登を代表する花と木としてのとキリシマツツジとタブノキ、禄剛崎(珠洲市)の航空写真を掲載。最終ページでは、能登と同じ半島の中で藤平さんが最もひかれた旅路だった伊豆と津軽を舞台にした文学作品として川端康成の「伊豆の踊子」、太宰治の「津軽」についての思いを、旅行時の写真とともに記した。
 藤平さんは、以前から続ける講演などの機会に冊子を活用し、旅路としての能登の魅力、著名な文人ゆかりの地を巡るコースとしての楽しみ方などを提言したい考え。「白米(しろよね)千枚田、九十九湾と宇出津港に文学碑を建てるような動きにつながってほしい。実現すれば十二景巡礼巡り、スタンプラリーなど新たな趣向の企画も期待できる」と話す。
 五百部作製。費用を支援した能登半島広域観光協会の関係機関や会員らに贈るほか、各地の図書館などに配布。希望者にも郵送するため、申し込みは百二十円切手二枚を入れた封筒を藤平さん宅(〒928 0206、輪島市町野町曽々木オ一九の一)まで郵送。(問)藤平さん0768(32)1146

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