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本社「知事リコール署名偽造事件」が新聞協会賞 技術賞も受賞

2021年10月6日 15時29分 (10月7日 16時54分更新)

 日本新聞協会は6日、2021年度の新聞協会賞を発表し、中日新聞社・西日本新聞社の「愛知県知事リコール署名大量偽造事件のスクープと一連の報道」などが選ばれた。中日新聞社は、これまで経験や勘に頼ってきた印刷工場の稼働状況や消耗品管理などをデータに基づいて可視化する「スマートファクトリー ~『見える化』で新聞の未来を拓く~」で新聞技術賞も受賞した。
 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造疑惑は、西日本新聞への情報提供を基に中日新聞が取材し、今年2月から報道を展開。5月にはリコール活動団体事務局長らが逮捕され、刑事事件に発展した。
 「丹念な取材を通じて不正の実態を詳細に伝え、社会に大きな衝撃を与えた。民主主義の根幹を揺るがす重大な事実を、両紙が見事に連携してあぶり出した調査報道」と評価された。
 授賞式は、11月17日に盛岡市で開かれる第74回新聞大会で行われる。

2社連携、調査報道評価 読者からの情報が端緒

 2021年度の新聞協会賞を受賞した「愛知県知事リコール署名大量偽造事件のスクープと一連の報道」は、中日新聞と西日本新聞の連携による調査報道が評価された。
 両紙は、LINEなどで読者から寄せられた情報を基に取材を進める「オンデマンド調査報道(ジャーナリズム・オン・デマンド、JOD)」の取り組みで連携している。「佐賀市内で署名を書き写すアルバイトをした」との情報が西日本新聞に寄せられ、JODの枠組みを通じて、中日新聞に伝えられたことが報道の端緒となった。
 関係者への取材を重ね、2月16日には大量の署名偽造疑惑を報じる記事が両紙に掲載された。その後も取材に対し、リコール活動団体の事務局幹部が偽造への関与を、活動団体の事務局長が大量の署名の書き写し作業の依頼をそれぞれ認めるなど、スクープを連発した。5月19日には愛知県警が事務局長らを地方自治法違反(署名偽造)容疑で逮捕し、刑事事件に発展。9月に公判が始まった。
 新聞技術賞を受賞した「スマートファクトリー」は、技術の継承や人員の確保が課題となる中、オペレーターの経験や技能に頼らない印刷工場の将来像を示す技術として評価された。輪転機など生産設備の運転データを活用し、業務を可視化した大府工場(愛知県大府市)は、昨年6月から本格稼働している。
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 リコール署名大量偽造事件の報道については、17日朝刊で特集します。
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