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静岡大と中日新聞の連携講座、12日開講 

2021年10月6日 05時00分 (10月6日 09時50分更新)
研究をより充実したものにし、地域に伝えることの大切さを話す静岡大の日詰一幸学長=静岡市駿河区で

研究をより充実したものにし、地域に伝えることの大切さを話す静岡大の日詰一幸学長=静岡市駿河区で

 静岡大と中日新聞東海本社の連携講座「いのちとくらしを守るイノベーション」が十二日からオンラインで始まる。災害や感染症、金融機関のシステム障害など社会が直面する課題を題材に、技術革新と社会変革の数々を紹介し、これからの生き方や暮らし方を考える。日詰一幸(ひづめかずゆき)学長に、講座の狙いや魅力を解説してもらった。 (細谷真里)

◆技術と変革へ知見活用 日詰学長が狙い解説

 −今年のテーマ「いのちとくらしを守るイノベーション」に込めた意味は。
 イノベーションというと「技術革新」に焦点が当たることが多いが、「社会変革」、つまり人々の意識や行動が変わっていくことの両方が必要だ。近年、感染症や災害をはじめ、私たちの命や暮らしを脅かす課題が多い。これまでも人間は課題を乗り越え、暮らしを豊かにする対策を取ってきた。大学としても、研究活動を通じ、蓄積してきた知見がある。そういった知識をお伝えし、自分の身を守って行動するきっかけになれば。
 −講師陣の特徴は。
 現在の一番の脅威といえば、新型コロナウイルスだ。第一回の浜松医科大の鈴木哲朗教授には、ウイルスの持つ基本的な特性などをはじめ、感染症の特徴について解説していただく。
 一方、静岡大でも、理学部や農学部などから、医療分野にアプローチした基礎研究を行っている。理学部の大吉崇文准教授には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やがんの原因となる特殊なDNAに注目した研究について話してもらう。このDNAの謎を解明することで、難病を救う治療薬につながるかもしれないと期待されている。
 大多哲史工学部助教は、磁性ナノ粒子というナノサイズ(一ナノメートルは百万分の一ミリ)の磁石を活用した、身体への負担が極めて少ないがん温熱治療など、がんの診断治療技術への応用を目指した研究について話す。現在注目を集め、盛んに研究されている技術だ。
 近年、大規模な土砂災害が増えている。今年は熱海で土石流災害が起き、県民の土砂災害への関心も高まっていると思う。農学部・防災総合センターの今泉文寿教授は、土砂災害が発生しやすい状況や、災害や被害を減らすための課題について教えてくれる。
 生活する上で欠かせないお金。DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進み、金融機関の情報システムは、金融決済など、社会のインフラとして欠かせなくなってきている。だからこそ、システム障害が起こると大きな影響がある。遠藤正之情報学部教授の話は、最近の事例を基に、事業者と利用者の両方の視点から考える機会になると思う。
 −学長に就任して半年。浜松医科大との法人統合・再編に向け議論が進む中、今後、さらなるイノベーションも期待される。

 今回の講座のように、本学では、社会の諸課題に対する最先端の研究が多数行われている。浜松医科大との法人統合・再編は延期されているが、研究面では、理学部、農学部と学部ごとの研究情報交換会を行うなど、連携を促進する機会も設けている。
 今の静岡大は、多様な意見を聞き取って今後の方向性を定めていくことが大事な時期だ。同時に、地域社会の発展に貢献できるような環境づくりも進めているので、今後のイノベーションの取り組みにも期待してほしい。

◆コロナや災害 5講師が事例を紹介

■日程や募集要項■
 (1)10月12日 鈴木哲朗・浜松医科大医学部教授「感染症の原因のウィルスとその対処法」
 (2)11月9日 今泉文寿・農学部・防災総合センター教授「土砂災害はいつどこでおきるのか?〜土砂災害の実態と対策〜」
 (3)11月30日 大吉崇文・理学部准教授「ALSやガンの原因となる特殊なDNAとは?」
 (4)12月21日 遠藤正之・情報学部教授「金融情報システムの障害にどう向き合うか〜最近の障害事例からの示唆〜」
 (5)1月18日 大多哲史・工学部助教「磁性ナノ粒子の磁化機構解明〜がん診断治療技術への応用を目指して〜」
 ※時間は午後6時半〜8時。いずれもZoom(ズーム)での開催。
 申し込みは、静岡大地域創造教育センター地域人材育成・プロジェクト部門のホームページの申し込みフォームから。(問)同部門=054(238)4817

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