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「アユは早く放し川に育ててもらう」 中央水産研・坪井主任研究員が講演 福井・日野川漁協主催セミナー

2021年9月30日 05時00分

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講演する坪井さん

講演する坪井さん

  • 講演する坪井さん
  • 良型のアユを掛け、笑顔の坪井さん
  • 良型アユを掛け竿を曲げて取り込みにかかる坪井さん

 日野川漁協(福井県越前市)が24日、同県鯖江市のホテルで水産研究者を招き、アユを取り巻く環境セミナーを開いた。「アユは早く放流して、川に大きく育ててもらおう」など独自の視点の講演に、漁協関係者ら約80人が熱心に聞き入った。 (東條敏明)
 セミナーは、国立研究開発法人水産研究・教育機構「中央水産研究所」沿岸・内水面研究センター(栃木県日光市)の坪井潤一主任研究員(農学博士、42歳)が「毎年釣れるアユ釣り場づくり〜場所の選択と時期の危険分散〜」と題して講演した。
 坪井さんは愛知県豊山町出身。研究室にとどまらず、現場に出て実践する行動派。全国25河川で潜り、放流アユの目視匹数と環境調査などを行っている上、友釣り歴18年と腕前も確か。
 講演で参加者が目を丸くしたのが「朝8時の水温が8度になればアユを放流しよう」との提言。坪井さんによると、「早く放せばそれだけ野性味が出て掛かるアユに成長するし、川に育ててもらって大きくなる」という。また「今の川は下水道が完備され、きれいになりすぎ。貧栄養化している。多少汚い方が富栄養化で大きく育つ」とも。
 漁協関係者からは驚きつつも、「水温は13度を基準にしていた。本当に育つのか。いきなりはできないが少しずつやってみる」など前向きな姿勢が見られた。
 また、冷水病対策の加温処理の効果について、「有効期限は30日。それを過ぎるとまた発症する。最近の冷水病は強毒化しており、再発症を織り込んだ分散放流・放流時期を決める必要がある」との説明について、関係者からは「知らなかった」「びっくり」との反響があった。そのほか、カワウ対策については、海岸に追いやり、上流に来させない方策が必要など、興味深い内容が1時間ほどの間にぎゅっと凝縮されて展開され、出席者は圧倒された。
 講演は日野川漁協の佐々木武夫副組合長(74)らが企画した。奈良俊幸越前市長、高木毅衆院議員、宮本俊県副議長、原田進男県内水面漁場管理委員会会長、山本達雄越前市建設業会会長らも出席した。
 翌日、坪井さんは九頭竜川でアユ釣りの実践&調査を行った。どこで釣りたいとの問いに即座に「坂東島」と答える激流好き。

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