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<大波小波> ネットを泳ぐヘイトを止めるために

2021年9月29日 16時00分 (9月29日 16時06分更新)
 芥川賞を受賞した『彼岸花が咲く島』(文芸春秋)の著者、李琴峰(りことみ)がSNSに誹謗(ひぼう)中傷を受け、発信できなくなってしまった。アマゾンのレビューにも、作品未読であろう者たちからの悪質な書き込みがされた。
 きっかけの一つに、台湾出身の李のツイートに対して、「外国籍の作家」がなぜ「日本で政治活動しているのか」等、知念実希人(みきと)がツイートしたことがある。
 知念は、十三万人台ものフォロワーのいるミステリー作家で、本紙でも最新作の書評が掲載され、作品もベストセラーになっている。医師でもある彼は、ワクチン接種の情報を熱心に発信している。
 知念は件(くだん)のツイートを謝罪し、李とも和解して、真摯(しんし)な姿勢だと褒められているほどだ。だが、彼の放った言葉はネットの海を泳ぎ出し、人々の目に触れ、新たなヘイトスピーチを喚起したのではないか。
 知念は今もワクチンの情報をつぶやき続けている。その情熱の一端でも、ヘイトスピーチを止めるため、あるいは、差別や誹謗中傷をやめさせるための行動に向けてくれないだろうか。謝罪の言葉をいくら重ねても、被害者と加害者の圧倒的な非対称の解消に努めない限り...

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