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モーグル堀島行真 五輪の苦杯からガラリ変えた練習法 採点対象外の高難度エアに挑むわけ

2021年9月28日 19時01分

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北京五輪への意欲を語る堀島行真

北京五輪への意欲を語る堀島行真

 フリースタイルスキー・モーグル男子の日本のエース、堀島行真(23)=トヨタ自動車=にとって4年間の成長を示すシーズンが始まる。2018年平昌五輪は金メダルを期待されながら11位。その後は練習方法などを見直し、来年の北京五輪は別のアプローチで頂点を目指す考えだ。まずは12月に開幕するW杯シリーズに備え、10月2日にスイスへ向かう。
 前年の世界選手権2種目制覇を引っ提げ、初めて臨んだ五輪の大舞台。堀島はその苦い経験があるから今がある。
 「当時は金メダル候補と言われても自分の実力を信じられなかった」。11位という結果を受け入れ、金メダルへの道を探った。技術の見直しを進める一方で、練習法をがらりと変えた。
 平昌五輪前は採点対象のエアに絞った練習を繰り返した。「同じことを反復した結果、後味が悪かった。何の成果も成長も感じられなかった」。その反省からモーグルの枠を飛び出し、得点に結びつかないエア習得にも励むことにした。
 5月下旬、世界最新のウオータージャンプ施設と雪上での練習場を求めて渡米した。1カ月間の合宿では「6個の技をスキー人生で初めて雪上でできた」という。その新技のうち、得点になるのは一つ。スノーボードで見られる、軸を斜めに縦2回転、横4回転の高難度エア「ダブルコーク1440」にも初成功したが、モーグルでは採点対象外だ。
 「『得点にならない技をやっても意味がない』と言われるかもしれないけど、できないことへの挑戦はワクワクするし、モチベーションになる。成功すればモチベーションは高まるし、他の技への相乗効果も感じる」
 5位だった2月のW杯第4戦。コブが大きく距離もあり、おまけに高地で空気が薄い。「アスリートの根性が試される場」(堀島)という世界屈指の難コース、米ユタ州ディアバレーでターンのベース点が平昌五輪金メダルのミカエル・キングズベリー(カナダ)を初めて上回った。採点配分の60%を占めるターンのベース点は、競技者の格付けのようなものだ。
 これまではターンのベース点で絶対王者のキングズベリーを超えたことはなく、勝つには相手のミスを待たなければならなかった。「技術的にはトップにいる感覚がある」。ようやく実力で倒せる域に入ってきた。
 「お互いベストを尽くし、もし自分が負けても相手をリスペクトし『悔しいわ』と冗談で言えるライバル関係でいたい」。平昌の時はその日のことしか考えられなかった。北京では、勝っても負けても次につながる戦いができればいいと思っている。
▼堀島行真(ほりしま・いくま) 1997年12月11日生まれ、岐阜県池田町出身の23歳。170センチ、66キロ。岐阜第一高―中京大。1歳からスキー板に乗り、モーグルは小学4年から本格的に始める。2017年世界選手権はモーグル、デュアルモーグル(非五輪種目)で2冠。18年平昌五輪11位。18―19年、19―20年の2季連続W杯総合2位。21年世界選手権のデュアルモーグル3位。

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