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競輪界で不振極める中部勢…史上最速ビッグVの山口拳矢に続け【記者コラム】

2021年9月28日 18時05分

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山口拳矢

山口拳矢

◇記者コラム・バンクの風
 確かにまだ、G1ではない。走り方にも賛否両論ある。それでも、素直にうれしかった。ここ数年中部勢が勝ったことも、ましてやそれを原稿に書いたこともなかったから。中部の新星・山口拳矢(25)=岐阜=が、20日まで行われた地元・岐阜での共同通信社杯(G2)で史上最速でビッグVを勝ち取った。
 今回前評判は高かったし、自分たちを含めマスコミも結構あおった。そういった時はたいてい、いい結果を生まない。過度なプレッシャーが選手にかかるからだ。山口もプレッシャーを感じていた。「寝られない日があった」。それでも、強靱(きょうじん)な精神力でクリアした。話してみると穏やかな今時の若者だが、内に強い精神力を秘めている。それと同時に、持てるスピードは強烈。連日ハイラップをたたき出し、2日目は10秒7のバンクレコードタイ。タイムでも能力の高さを証明した。
 さらに言動からも確かな成長が見て取れる。「一人でも多くの中部勢が勝ち上がれるようにしたい」。大会前に山口が口にした言葉だ。その願いこそかなわなかったが、特に初日はそれだけのレースはしていた。それに仕掛けが遅くなることがあっても、結果を出しているのは確か。あとは山口を見て、どれだけ中部の若手が続いてくれるかだ。
 まだ深谷知広が愛知に籍を置いていたころ、「自分と深谷さんとは違う」と若手のあきらめの声をかなり聞いた。記者はそれを寂しい気持ちで聞いていたものだ。ただ、山口が不振を極める中部の中で輝きを放ってきた。これから山口を目標に奮闘する若手が多くなってほしい。
 中四国はじめ他地区が優勢の状況下で、すぐ全てを変えてくれとはいわない。しかし今回のVが、少しでも他の中部勢のモチベーションになってくれれば…。今度はG1の舞台でも、ぜひ今回のようなうれしさを味わいたい。(競輪担当・西崎英亮)
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