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師匠・「竿しば」から弟子・「竿ます」へ受け継ぐ竿作りの技と心意気

2021年9月28日 05時00分

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「これに決め ました!」とマブナ竿を手にする田井さん。5尺竿、7本継ぎで値段は12万5000円

「これに決め ました!」とマブナ竿を手にする田井さん。5尺竿、7本継ぎで値段は12万5000円

 長きにわたり、本紙に荒川の釣り情報を提供いただき、紙面にも何度も登場した葛飾区新小岩の「竿しば釣具店」ご主人、芝崎稔さんが急逝されたのが昨年の秋。早いものであれから1年がたとうとしている。芝崎さんは伝統工芸士で「江戸和竿組合」所属の和竿師「竿しば」でもあった。長い職人生活の中、唯一の弟子が「竿ます」こと増形智志さんだ。

◆生前から引き継いだ依頼 来月の1周忌前にお披露目

 栃木県鹿沼市に工房を構える増形さん。竿しば親方との出会いに運命を感じ、弟子入りを志願したが「食べていける保証がない」と最初は突っぱねられた。それでも何度も訪ねてくる熱意にほだされ、最終的には弟子として認められ「竿ます」が誕生した。
 昨年9月22日には江東区大島の「中川船番所資料館」で初めての実演。師匠の竿しば親方も一番前の席で熱心に見入り、感無量といった表情を見せていた。そんな親方だったが数日後に体調を崩し急きょ入院。治療のかいなく、天へと旅立った。10月7日、享年88だった。

◆師匠も認めた丁寧さ「握った感触が実にいい」

 竿しば親方の晩年は目を悪くして竿の製作が困難となり、自然と竿ますがお客さんを引き継いだ。新潟県長岡市の田井長一さんはマブナ竿をオーダー。注文から約2年の月日をかけ、その竿が完成、15日に「竿しば釣具店」で引き渡された。
 仕上がったのは茶色を基盤にした節目の黒い塗りが美しい竿。親方が生前「彼はとても丁寧な仕事をする」と認めていただけある。4本仕上げてきた中から、田井さんが実際に手に取り、竿の調子をじっくり吟味。これぞという1本を選んだ。
 「握った感触が実にいいですね〜。この太さが落ち着く。家にきてもらいますよ」と感慨深げ。

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