「生き延びるため」読書バリアフリーを 障害ある准教授ら参加しシンポ
2021年9月27日 16時00分 (9月27日 16時03分更新)
障害がある人の読書について考えるシンポジウム「本と多様な立場の読者をつなぐために」(国立青少年教育振興機構主催、文字・活字文化推進機構主管)がオンラインで開かれた。医師で脳性まひの当事者でもある東京大准教授の熊谷晋一郎さんが、パネリストとして参加し、操作のしやすい電子書籍の普及など、環境整備を呼び掛けた。
シンポジウムは、誰もが活字文化の恩恵を享受できる社会を目指す「読書バリアフリー法」(二〇一九年施行)の理念を広めるため企画された。ほかのパネリストは、手話通訳士を主人公にしたミステリー『デフ・ヴォイス』などで知られる作家の丸山正樹さんと、合同会社「学びプラネット」代表社員・平林ルミさんの二人。
熊谷さんは、自身が読書する時の障壁について説明した。手や腕を動かせる範囲が限られており、本を開いて固定したり、ページをめくったりすることが難しい。デジタルデータ化されていれば、格段に扱いやすいという。「本の中にマイノリティーが生き延びるために必要な先人たちの言葉が存在している。けれど出合いにくい」「余暇ではなく、衣食住に匹敵するものとして読書バリアフリーを考えていかなければならない」と語った...
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