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【石川】御嶽山噴火きょう7年 登山者 装備と情報を けが負い生還 小松の中西さん

2021年9月27日 05時00分 (9月27日 10時12分更新)
噴火直前に頂上を撮影した写真を手に、当時を振り返る中西幸一さん=26日、石川県小松市内で

噴火直前に頂上を撮影した写真を手に、当時を振り返る中西幸一さん=26日、石川県小松市内で

 七年前、御嶽山に登り、火口からわずか数百メートルの尾根で噴火に遭った石川県小松市の中西幸一さん(71)が二十六日、本紙の取材に応じた。中西さんは「助かったのは運が良かったとしか言いようがない」と振り返りながら「活火山に異変があった時の行政の情報提供と、服装など登山者の備えが必要」と教訓を語った。 (井上京佳、写真も)
 「真っ青な空にシャーっと銀色の柱が吹き上がり、一瞬見とれてしまった」
 その時、中西さんは山頂から約二百メートルほど下った斜面「八丁ダルミ」にいた。直後に噴煙が迫り慌てて逃げたが、十秒ほどで熱風に巻き込まれた。身を隠す場所がなく、ザックを盾にうずくまった。すぐに耳も鼻も火山灰で埋まり、口に入った灰を手でかき出し、そっと呼吸した。大きな噴石がぶつかる音がし、砕けた石が頭や背中に飛んできた。「もうだめかな」と思いながら痛みに耐えた。噴火が落ち着いた二十分後、火山灰が積もった道を下り、二百メートル先の山荘へ駆け込んだ。噴石は左膝上を貫通し、左肩甲骨を折るけがを負っていた。
 身を隠す場所がなく開けている八丁ダルミでは、登山者の三人に一人が命を落としたという。今も立ち入り規制が続くが、解禁に向け地元ではシェルターの設置が進む。ただ、中西さんは「噴火に巻き込まれれば、逃げられるのはせいぜい五十メートル。シェルターだけで大丈夫だとは思えない」と不安視する。
 御嶽山では当時、噴火前に多数の火山性地震が観測されていたにもかかわらず、警戒レベルは「1」のままだった。中西さんは「あの時、きっと誰も噴火すると思っていなかった。噴火の兆候を知っていれば、登山の中止や火口付近を避けるなど対策ができたかもしれない」と話す。
 中西さんは、厚手の帽子で頭部を噴石から守れたという。活火山への登山では、ヘルメットの着用など十分な備えが欠かせないと身をもって知る。「火口の位置や、身を守る場所があるかを少しでも考えて登ってほしい」と登山者に訴えている。 

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