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酪農の未来を志す若者へ 来秋、湖西に県内最大級牧場オープン

2021年9月27日 05時00分 (9月27日 09時54分更新)
満咲牧場の完成イメージ

満咲牧場の完成イメージ

 酪農業を希望する若者が無理なく働ける環境を−。千頭規模の乳牛を飼育する県内最大級の牧場「満咲(まんさく)牧場」が来年九月、湖西市太田の知波田肥育牛団地跡地に開業する。浜名酪農業協同組合(浜松市東区)の酪農家が出資した株式会社が経営し、最初は四十〜五十人の従業員を一日八時間の交代勤務で雇用。余裕のある労働環境で後継人材を育成し、担い手不足や高齢化に悩む業界の持続可能な発展につなげる。 (鈴木太郎)
 酪農業界では後継者不足や高齢化による廃業が相次いでいる。県西部地域の二十六戸が加入し、二千三百頭を飼育する同組合でも、ここ十年間で戸数が半減した。組合によると、酪農の現場で勤務を希望する高校生や大学生は一定数おり、働く場が見つからないミスマッチが続く。新規開業は初期投資が膨大で、既存の農場を引き継いでも、長時間労働などで断念するケースが少なくないという。
 担い手減少で生乳生産量が減る事態を打開するため、組合では酪農を志す若者が働きやすい環境づくりの強化を目指している。組合員有志が出資して二〇一九年春、掛川市の既存の乳牛牧場を改修した四百頭規模の「沖之須牧場」が開業し、満咲牧場は沖之須牧場に続く取り組みとなる。
 未経験者でも働きやすくするため、二十四時間を八時間ごとに区切り、三日働いて一日休む「三勤一休」の体制にする。牧場内で済ませることが一般的な飼料生産は、組合の施設に外注し、牛の飼育に専念できる。研修施設も併設し、高校生や大学生のインターンを積極的に受け入れる。
 事業費は約三十億円で、今年十月に着工。生乳生産量は一日二十五トン、年間売上高は十五億円を見込む。「満咲」の名は、湖西市内に群生地のあるトキワマンサクにちなんだ。
 社長には経営コンサルタント出身の矢野裕之さん(59)を迎え、酪農家以外の視点を入れた経営に当たる。浜名酪農の伊藤光男組合長(67)は現場に慣れた従業員が、牧場を継承することにも期待する。「夢を持った人を支え、酪農業の維持に少しでも貢献できる拠点になれば」と話した。
 同組合では酪農業の持続的な発展につなげようと、組合員らへの出資者に酪農経営の現状を知ってもらう「酪農塾」を月二回ほど開催。地元金融機関などからの参加を呼びかけている。(問)浜名酪農=053(434)0157

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