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勝った後の妙義龍のなんと格好のいいこと。俺が女だったらただでは済まさないね【北の富士コラム】

2021年9月26日 05時00分

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妙義龍(手前)は寄り切りで正代を破る

妙義龍(手前)は寄り切りで正代を破る

◇25日 大相撲秋場所14日目(東京・両国国技館)
たった今、テレビで相撲を見終えたところです。さて飯を先に食うか、それとも原稿が先か、しばし考えた末に、相撲の内容を忘れないうちに書くことにしました。
 まず3敗力士の相撲からいきましょう。遠藤は逸ノ城にうまく取られて突き落とされた。足腰のいい遠藤だが、簡単に食ってしまった。意外にあっけない負け方であった。やはり遠藤にも優勝の意識はあったはずで、体が思うように反応しなかったのだろう。表情には出ないが、体に出たということだ。
 緊張といえば、阿武咲にも同じことがいえる。当たり負けしないよう必要以上に頭を下げすぎたため、明生の変化に足がついていけなかった。期待の一番だったので良い相撲を見たかったが、明生にしても背に腹は変えられず、変化に活路を見いだした。あまり褒められた相撲ではないが、かといって新三役で勝ち越したい気持ちは痛いほど理解できる。しかし、今後はいけません。癖になると明生の成長は止まることになる。
 さあ、残るは妙義龍だけとなった。相手は大関正代。順当に見れば、とてもかなう相手ではないが、このところの正代は大関とは名ばかり。ひとつも怖くない。
 正代の体当たりを、低い立ち合いから両前みつを引いた妙義龍。さあこれからどうするかと思ったときには、すでに走っていた。正代の体が浮き上がり、とても残せるどころの話ではない。まさに電光石火の出足であった。立ち合って2、3秒の勝負であった。
 勝った後の妙義龍のなんと格好のいいこと。俺が女だったらただでは済まさないね。表情ひとつ変えずに、インタビューにも冷静に受け答えをしていた。お江戸のお相撲さんの風格を感じさせる好力士だ。千秋楽も頑張って、照ノ富士に最後まで食らい付いてもらいたい。あまりにも妙義龍に入れ込みすぎて、危なく照ノ富士のことを忘れるところだった。
 照ノ富士と貴景勝の一番も気合の入った内容だった。立ち合いは照ノ富士の踏み込みがなく、貴景勝に攻められた。激しい突き押しに左が取れない照ノ富士は苦戦する。貴景勝はよく攻めたが、照ノ富士の体勢が徐々に低くなっていく。逆に貴景勝の突きが出なくなり、引く場面も出てきた。これは明らかにスタミナ切れと見る。
 照ノ富士は余裕が出て、左から再度引っ張りこんで、ついに左上手を取った。こうなると勝負がついたも同然。今や伝家の宝刀になってきた左上手投げで豪快に投げ捨てた。
 やはり強かった照ノ富士。千秋楽の相手は正代に決まった。願ってもない相手である。まず負けることはあるまい。物事には絶対はないと以前に言った覚えはあるが、今回の場合は間違いない。もし負けたらどうすると言われそうだが、妙義龍が勝てば決定戦になるのだから、いいではないか。ま、楽しくやりましょう。そして飯にします。
 今夜はすごいごちそうだ。まずおでんが2カ所から届いている。どちらも名店のおでんである。両方食べ比べよう。それから西銀座「赤トンボ」のサンドイッチ。飛騨牛のステーキ。それに私が昼に作ったナスの煮物。キュウリの酢の物。さすがに全部は無理だ。
 14日目に着たジャケットが小さくなっていた。場所が終わったらダイエットすることにします。それでは失礼します。(元横綱)
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