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25年前の初心に帰る カナダ領事 デイヴィッド・パデュー

2021年9月26日 05時00分 (9月27日 10時48分更新)
JET プログラムで宮崎在住の頃の筆者

JET プログラムで宮崎在住の頃の筆者

 先月十六日、名古屋のカナダ領事として着任しました。そんな中、数年前に学んだある日本の諺(ことわざ)が頭に浮かんでいます。それは『初心忘るべからず』です。カナダでは、『始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを大事にしなければならない』というような概念が存在しませんが、それは美しいことだと思います。そこで初心を思い出しながら、私と日本の長い歴史を振り返ってみたいと思います。
 今から二十五年前、大学一年生の私は、免疫学の研究者だった母を見習い科学を専攻しましたが、自分にはあまり向いていないと気づき始めていました。ちょうどその頃、母は大阪で行われる国際学会に出席することになり、「私と一緒に日本に行かない?」と誘ってくれました。私の状況を理解し冬休みの気分転換を勧めてくれたのです。それは初めて欧米を出た若い私にとって、新しい世界に目覚めたような経験でした。活気のある道頓堀から、何百年もの仏教の歴史を持つ高野山まで、日本の現代文化と伝統を同時に味わい、とても印象深い旅となりました。「日本についてもっと学びたい!」とその時決心しました。
 カナダの大学に戻り、懸命に日本語と日本文化を勉強し始め、結局「科学」から「東アジア研究」に転部しました。卒業後、日本の外国青年招致事業「JET プログラム」に参加させていただいた時、「日本とカナダの懸け橋になるために将来外交官になりたい!」という夢ができました。
 二〇〇八〜一二年、そして一七〜二一年、合計八年間にわたって、東京にあるカナダ大使館で勤務してきた中で、少しずつその「懸け橋の夢」が叶(かな)ってきました。
 名古屋と中部は私にとって、全く新しい地域で、まだ右も左も分かりませんが、二十五年前に日本について勉強し始めた頃と同じ熱い気持ちで、これから領事として頑張りたいと思います。そう、あの時の「初心」を大事に! 皆さまこれからどうぞよろしくお願いいたします。(駐名古屋カナダ領事 デイヴィッド・パデュー)

 デイヴィッド・パデュー オンタリオ州トロント出身。早稲田大で1年日本語を学び、宮崎県の国富町役場で国際交流員も務めた。2004年にカナダ連邦政府外務省に入省。在日カナダ大使館、中国在重慶カナダ総領事館、在日オンタリオ州政府事務所での勤務を経て、カナダ領事として名古屋に着任。


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