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「われに秘策有り」大言壮語をほざいていた割には、あまりにも弱い御嶽海であった【北の富士コラム】

2021年9月25日 05時00分

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御嶽海(右)を攻める照ノ富士。寄り切りで下す

御嶽海(右)を攻める照ノ富士。寄り切りで下す

◇24日 大相撲秋場所(両国国技館)
 どうやら優勝争いは2敗の照ノ富士、3敗の阿武咲、妙義龍、そして遠藤に絞られたようだ。
 13日目は3敗力士に注目して相撲を見ていたが、遠藤が霧馬山を一度頭で当たってから立ち合いの変化で意表を突いた。霧馬山の方は珍しく頭で当たり出たので、この右からのはたき込みを食ってしまった。遠藤はめったに立ち合いに変化はしない力士である。それだけに霧馬山は不意を突かれた格好になった。
 遠藤もひそかに優勝を意識したとしても不思議ではない。単なる私の邪推かもしれない。しかしチャンスであることには間違いない。
 妙義龍は今まで一度も勝ったことがない貴景勝との一戦。0勝13敗。それを聞いただけで、私も妙義龍は消えたなと思った。が、相撲は取ってみなければ分からない。
 押し込まれて弓なりになった妙義龍が、ほとんどやけくそに左からすくい投げると、貴景勝の体が一回転して土俵に落ちた。物言いがつくと見ていたが、審判全員素知らぬ顔で軍配通りとなった。私は物言いぐらいはとビデオを見直したが、明らかに貴景勝の落ちる方が早かった。さすが審判、やる時はやる。
 最後は阿武咲と正代の一番。正代は勝ち越しは決まったが、あと2勝して10勝は挙げたいところ。直接優勝には関係はないが、大関の意地を見せねばならぬ。もし8、9勝で終わるようだと、あの口うるさい「北の富士」に何を言われるか分からない。
 立ち合いは阿武咲より正代の方が良かった。左をねじ入れて一気に前に出た。この勢いに押され土俵際まで攻められた阿武咲だが、低い体勢となって猛然と反撃に転じる。正代は両足がそろって回り込めず土俵を割った。やはり優勝を狙っている力士と、ようやく勝ち越す大関とでは気力の違いがはっきり出るものだ。
 照ノ富士は相手が御嶽海とあって苦戦も予想されていたが、実に落ち着いた相撲で「われに秘策有り」と言っていた御嶽海に何もさせなかった。
 内容は左上手が引けなかったが、逆に左を差してじっくり出方を待ち、御嶽海がしびれを切らして出てくるところをガッチリと組み止め引きつけると、御嶽海はすでに残す気力も見せぬまま土俵を割った。大言壮語をほざいていた割には、あまりにも弱い御嶽海であった。
 これでもう照ノ富士は心配はなかろう。私の手元に14日目の割がないので、誰と対戦するのか分からないが、審判部がうまく盛り上がる割を作ってくれるだろう。私は何しろ頭を丸めることがかかっているので、この際は照ノ富士の応援に回ろうと思う。
 それにしても腹が減った。もう8時だ。食い物はたくさんある。留萌の同級生が「ぬかにしん」をたくさん送ってくれた。福島県の知人から立派な梨も送っていただいた。私は現役のころから物を食べる時、実にうまそうに食べるらしい。よく食わしがいがあると言われる。今でもそうだ。
 亡くなった栃光関には「相撲取りは出されたものは必ず全部食べろ。残すなら初めから手を付けるな」と…。今でもそれは守っている。だからなかなかやせない。また食べ物の話になった。弟に叱られる。そうだ、これも以前いただいた高級ホテルのハンバーグがあるので、湯せんして食べよう。(元横綱)
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