名手がキセキを覚醒させるか…平成元年から春の盾4連覇の武豊 令和初の今回も「自分の感覚を大事に」難しい馬乗りこなす
2020年4月30日 14時35分
◇第161回天皇賞・春(G1・5月3日・京都・芝3200メートル)
無観客という通常時とは違う状況の中、競馬界の第一人者・武豊はキセキとのコンビで前人未到の「春の盾」9勝目を目指す。
「初めて勝ったのはイナリワン(89年)。そこからスーパークリーク(90年)、メジロマックイーン(91、92年)で4連覇させてもらいましたからね。それにスペシャルウィーク、ディープインパクトにキタサンブラック…。春の天皇賞にはいい思い出がたくさんあります。(今年も)いい馬が回ってきた。実績馬なのでうれしかった」
コンビを組むキセキは17年の菊花賞馬。G1ホースだが、ネックは気性難だ。そこから2年半もの間、勝ち星から遠ざかり、断然の1番人気に支持された前走の阪神大賞典でも発馬で大きく出遅れた上に暴走して7着と敗退。かつての輝きを取り戻したい。管理する角居勝彦師は「ユタカマジックで奇跡(キセキ)を見たい」と全幅の信頼を寄せる。
委ねられた名手は15日のゲート再審査、2週前追い、そして先週の1週前追いと何度も調教で感触を確かめた。角居師が求めたのは「感覚をつかんでもらうこと」。22日の1週前追い切り。角馬場をダグでじっくりと周回し、さまざまなアクションに対して、キセキがどんな反応を見せるのかを試した。その後、CWコースで6F82秒3―1F11秒7。抜群の追い切りを終えると、武豊はこううなずいた。「さすがG1ホースといういい動き。一緒にレースをして難しい馬と感じていたけど、実績はここに入っても見劣りしない。先入観を持たずに自分の感覚を大事に乗ります」。
培われてきた経験が名手の大きな武器。感謝の気持ちを胸に目指すのは9度目の春の盾制覇しかない。「無観客競馬でも続けさせてもらっていることに感謝の気持ちを忘れてはいけない。平成元年から4連覇かあ。令和も…。そうなればいいね」。競馬界の記録を次々と塗り替えてきた“平成の盾男”が令和初の天皇賞・春でキセキを復活Vへと導く。
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