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<月刊ジブリパーク> アカデミー映画博物館、開館記念「宮崎駿展」 キュレーターが狙いを語る

2021年9月24日 05時00分 (9月24日 12時48分更新)

米国ロサンゼルスに9月30日に開館するアカデミー映画博物館の外観 (c)Academy Museum Foundation

 米国ロサンゼルスに30日(日本時間10月1日)、「アカデミー映画博物館」が開館する。こけら落としの特別展として、米大陸初となる宮崎駿監督の回顧展を開催。スタジオジブリが貸し出した作品資料のほか、博物館独自の展示などを予定する。展示キュレーターのジェシカ・ニーベルさんに、開催の動機や狙いを聞いた。

ジェシカ・ニーベルさん (c)Academy Museum Foundation

 博物館は映画文化の中心地ハリウッドにオープン。映画史やアカデミー賞作品に関する膨大な資料を展示する。ジブリはアカデミー賞で2003年、「千と千尋の神隠し」が長編アニメ映画賞、14年に宮崎監督が名誉賞を受賞。ニーベルさんは宮崎監督作を「卓越したアートワークは、その質と美しさとともに詩的でもあり、年齢を問わず心をとらえる」と評する。ジブリには手書きの物的資料が多く展示に適していたそうで、開催は「完璧なチョイスだった」と自負する。
 回顧展に向け、ジブリ作品に着想を得たインスタレーション(空間芸術)を制作。入り口に「となりのトトロ」のメイが通るツリートンネルを設置し、海外初出品を含む約300点を展示する。「子どもには新たな発見をする場にしてほしいし、大人には子ども心を思い出してほしい」と狙う。
 ニーベルさんはドイツで過ごした幼少期、宮崎監督が手掛けた「アルプスの少女ハイジ」を、日本のアニメだと知らずに見ていたという。回顧展の開催許可を得るために何度も来日し、宮崎監督本人との対面がかなった。「自分の専門は映画製作。博物館はそちらの専門だから、お任せする」と了承をもらった。
 三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)も訪問。子ども向けに作られた併設映画館「土星座」で専用の短編作品を上映する姿勢に、「お金もうけでなく、意義のあるものを労を惜しまず作っている」と感銘を受けた。アニメや映画フィルムの歴史を紹介する展示にも注目し「古い時代を創造力をもって見せていて、現代の子どもたちにも伝わる」と感じたという。博物館全体のあり方を考える上で刺激を受けたとし「私たちの観客に向けたオスカー史を見せたい」と語った。 (古谷祥子)
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サツキとメイになっちゃった! 生活体験イベント、谷口さん一家参加

かまどでご飯を炊く谷口さん一家=愛知県長久手市の愛・地球博記念公園で

 愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内にある「サツキとメイの家」で8月、「となりのトトロ」の主人公姉妹の生活を体感するイベントがあった。
 家は、昭和30年代の暮らしぶりがリアルに再現されている。約300組から選ばれた愛知県尾張旭市の谷口精(まさし)さん(50)ら一家4人が参加。かまどで米を炊き、劇中でも描かれた「長州風呂」を沸かす作業に挑戦した。ポンプでくんだ水を竹筒を使って風呂に送ったり、かまどに火をくべたり。ボーイスカウト経験のある精さんの主導で、てきぱきと進んだ。燃える薪からはパチパチとはじける音がし、辺りにどこか懐かしい匂いが漂った。炊きあがった米はおにぎりにし、皆でほおばった。
 長女の栞(しおり)さん(8)は「近くにトトロがいるかもと思った」と目を輝かせていた。 (西川侑里)
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ジブリ「熱風」連載エッセー 落合博満著『戦士の食卓』発売

 日本人初の1億円プレーヤーになった著者が、プロ野球選手として重視してきた「食」への思いをつづる。スタジオジブリの月刊小冊子『熱風』の連載エッセーを書籍化した。
 中日監督時代、選手の食生活にどう目配りしたか振り返った章、息子らへの食育について触れた章などのほか、「食器」から「4番打者」「エース」など人の「器」に論を展開した章も。プロの料理人顔負けの腕前で著者を夏バテ知らずにした妻信子さんの回想を挟みつつ、多彩に語り尽くす。岩波書店、1650円。

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