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17歳 自分も夢のパラへ 車いすテニス 金沢の清水さん

2021年9月24日 05時00分 (9月24日 09時56分更新)
石川県初の車いすテニス強化指定選手の清水大葵さん。パラリンピックのパリ大会を目指す=金沢市北安江で

石川県初の車いすテニス強化指定選手の清水大葵さん。パラリンピックのパリ大会を目指す=金沢市北安江で

パワー持ち味 障害の「見方変えたい」

 車いすテニスの日本代表として、パラリンピックの二〇二四年パリ大会を目指す高校生が金沢市内にいる。二年前、石川県で初めて次世代育成強化指定選手に選ばれた清水大葵(だいき)さん(17)=いしかわ特別支援学校高等部三年。「自分もあの舞台に立って金メダルを取ってみたい」。今夏の東京大会をきっかけに、夢への思いを強くしている。(榊原大騎)
 サーブで相手を崩し、次の一球で仕留める。そんなパワーあふれるプレーが持ち味だ。十五歳から国際大会に出始め、現在のランクは世界で四百二十七位、国内で三十四位。ジュニア時代には一位にもなった。車いすバスケットボールとボッチャにも取り組む“三刀流”だ。
 生まれつき二分脊椎で、両脚の膝から下に感覚がない。小学三年の時、「外に出るきっかけに」という母親の思いから競技を始めた。特別支援学校の中学部に進んでから本格的に取り組み、日本車いすテニス協会(JWTA)に登録。県車いすテニス協会やウエストヒルズテニスクラブ(金沢市北安江)で、週二回ほど練習する。
 パラリンピック東京大会の金メダリスト国枝慎吾さん(37)に憧れを抱く。くしくも、清水さんが生まれた〇四年は、国枝さんがアテネ大会ダブルスで初の金メダルを獲得した年。国枝さんの素早いチェアワークや完璧なコントロールを見るたびに「自分も国枝選手のようになりたい」と思う。
 足りないのは練習時間だ。週二日では、毎日何時間も競技に打ち込むパラアスリートにはかなわない。環境確保は都市部に比べて大きな課題で「個人競技とはいえ相手がいなければ練習できないし、球出しする人もいない」。それでも「コロナ禍で数少ない大会で結果を出し、環境を変えていきたい」と意気込む。
 目標は競技にとどまらない。「車いすの人に対して『かわいそうな人たち』『不自由な人たち』という見方もあり、まだ障害者の差別は終わっていない。それをスポーツを通じてプラスに変えていきたい」。パラスポーツには、健常者と障害者の垣根がない。「心のバリアフリーをたくさんの人に知ってもらえれば、幸せな社会をつくっていけるのでは」
 十月十四日から仙台市で開かれる国際大会「SENDAI OPEN」に臨む。二年ぶりの実戦で、狙うはもちろん優勝。さらに遠くを見据えて言う。「第一の目標は、パラリンピックで金メダルを取ること。第二の目標は、障害者スポーツの普及と共生社会を確立すること」。十七歳のホープは、夢に向かって着実に歩む。

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