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アーモンドアイ、これだけ強いと日本競馬の悲願である凱旋門賞にも挑戦してほしい[本城雅人コラム]

2020年5月18日 10時52分

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アーモンドアイでヴィクトリアマイルを制し、声援に応えるルメール

アーモンドアイでヴィクトリアマイルを制し、声援に応えるルメール

◇本城雅人 ぱかぱか日和

 追うこともなく先頭に立ち、最後は流すくらいの走りで4馬身差。アーモンドアイの強さは十分知っているつもりだったが、無観客だというのも忘れ、最後は時が止まっているように感じた。
 昨年暮れの香港へ出発前に熱発回避、そして春はドバイに遠征していたのに中止で帰国と不運に見舞われた。陣営はそんなアクシデントもはね返し、このレースに向かってきっちり仕上げた。国枝調教師はインタビューの口調通り、どんな時でも焦らない、気負わない人だが、人馬ともにレースから逆算できるのがすごい。パドックでいささか元気がなく映ったのも、アーモンドアイからは「まだレースは先だよ」というメッセージが出ていたのではないか。
 国内外の芝G1は最多タイの7勝目。順調なら記録更新は確実だが、これだけ強いと世界レベル、日本競馬の悲願である凱旋門賞、欧州の2400メートルがタフ過ぎるなら米国のブリーダーズCターフマイルなどに挑戦してほしいと思ってしまう。だが生産者にはもっと大事な使命がある。それがアーモンドアイの血を後世に残していくこと。名牝の子供は走らないと言われた時代もあったが、今はエアグルーヴやベガ、ビワハイジ、シーザリオなどG1牝馬からG1ホースが生まれ、その系譜は発展している。アーモンドアイを母、祖母に持つサラブレッドが毎年のようにクラシックの主役になる、それこそこの血脈が世界を制するかもしれない。
 勝利ジョッキーインタビューでルメール騎手は「彼女の人生は終わっていない」と答えた。質問の趣旨から「まだまだG1勝利を増やせる」という意味で話したのだが、これだけの名牝なのだ。国内か海外か、オーナーサイドがどのようなローテーションを組もうが彼女の生涯を考えた末での選択だと尊重し、希代の名馬の出走レースに一戦ずつワクワクし、駆ける姿を目に焼き付けていきたい。(作家)
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