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【石川】「過疎債」で駐車場 造れる? 中能登町 旧鹿西中グラウンド 

2021年9月22日 05時00分 (9月22日 10時19分更新)
駐車場として整備される予定の旧鹿西中グラウンド=石川県中能登町能登部下で

駐車場として整備される予定の旧鹿西中グラウンド=石川県中能登町能登部下で

 平日は職員が有料で使用

 休日は体育施設来場者用


 中能登町が同町能登部下の旧鹿西中学校グラウンドを駐車場に整備する事業で、四月に「過疎地域」に指定された旧鹿西町の過疎対策事業債(過疎債)を活用する計画を進めている。グラウンドは町の行政サービス庁舎の南にあり、平日は町職員の駐車場、土、日曜日や祝日は庁舎近くの体育館などで大会が開かれた時などの駐車場や地域コミュニティーに活用したい考え。だが「駐車場を主に職員が利用するのなら、過疎債の目的に実態が合わないのでは」といった疑問の声も出ている。 (大野沙羅)

 町長「有利な起債」 町議「実態合わず」


 町は九月補正予算案に駐車場整備費として四千四百万円を計上し、うち三千八十万円を過疎債で賄う予定。周辺には体育館や武道館があり、一万二千三百平方メートルのグラウンドの約三割の三千八百平方メートルを体育施設などの利用者用で乗用車百二十台、大型バス二台分の駐車場に整備する予定だ。残るスペースは災害時の避難場所や子どもらが遊ぶ地域の多目的広場にしたいという。宮下為幸町長は、スポーツ大会や周辺小学校の運動会などの開催時に駐車場が不足し、新型コロナウイルスワクチン接種会場の武道館の駐車場も足りないことから早急な整備が必要との立場だ。
 一方、平日週五日は職員の駐車場とする計画。現在、行政サービス庁舎で働く約百人は、二百メートルほど離れた旧鹿西庁舎や五百メートル以上離れたJR能登部駅の駐車場に有料で車を止めて通っているが、利便性を高めたいと新駐車場を活用する方針。町は体育施設駐車場として整備することで、地域コミュニティーの振興を図ることが過疎債の名目に当たると説明する。町が負担する整備費の三割も、職員が月に千円支払う駐車場代で十年ほどあれば、元が取れる見込みという。
 総務省財務調査課によると、過疎債は商店街振興の目的などを除き、基本的に駐車場単体での適用は難しい。担当者は「駐車場は施設など何かに付随してつくるもの」と説明した。その上で「あくまで事業内容を細かく見るのは県の役割で、国として県の判断を待ちたい」と話した。
 九日の町議会予算決算常任委員会では一部議員から「主に職員が使うなら国に間違った申請をするのではないか。胸を張ってできないならすべきでない」「説明責任を果たしてほしい」などと疑問の意見が出たが、委員会は賛成多数で可決した。
 事業費を含む予算案は二十二日の本会議で可決されれば、町は国や県に過疎債活用を申請する。宮下町長は「有利な起債を探したので町のために、うまく使えればという思い。国や県に打診し、もしダメなら一般財源で整備するしかない」と語った。

 過疎債 過疎地域の持続的発展などを目的に2021年に新たに施行された過疎法(新法)に基づき、過疎地域とされた自治体の事業財源として特別に発行が認められる地方債(借金)。返済金の7割が地方交付税で措置され、自治体の返済は3割で済む。対象は産業や観光の振興、福祉事業施設、交通の確保を図る市町村道整備などの事業。地域医療確保、集落の維持・活性化などを目的としたソフト事業にも優遇措置が適用される。以前は過疎地域自立促進特別措置法(旧法)に基づいた。税金有効活用のため、適切使用を求める意見もある。


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