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おおの九条の会が15周年記念誌 戦争の記憶 市民目線で残す

2021年9月21日 05時00分 (9月21日 10時03分更新)
おおの九条の会15周年記念誌「わたしの戦争と平和」を紹介する吉田代表(右)と新家さん=大野市の日刊県民福井大野支社で

おおの九条の会15周年記念誌「わたしの戦争と平和」を紹介する吉田代表(右)と新家さん=大野市の日刊県民福井大野支社で

 「戦争の放棄」を掲げた憲法九条を守る活動を進める大野市の市民団体「おおの九条の会」が、創立十五周年記念誌「わたしの戦争と平和」を発刊した。当時の新聞記事や戦争経験者、遺族の体験談をまとめ、日本が戦争に突き進んでいった様子や大野市民の目線で戦争の悲惨さを伝え、反戦を訴えている。 (山内道朗)
 同会は二〇二〇年に十五周年を迎えた。同年は戦後七十五年に当たり、戦争の記憶が薄れていくことを危惧。戦争体験者も高齢化して少なくなっていることから、生の声を聞く「最後の機会」と捉え、調査と編集を開始。今年六月に完成した。
 記念誌は九十七ページ。「私の戦争体験」「平和への想い」「戦時下の大野」の三章に分け、十八人が計二十五項目を執筆。沖縄航空戦で特攻し、戦死した叔父の話や激戦地の硫黄島方面に出兵した大野市在住の元兵士との懇談記録など生々しい体験を収録。出兵した家族との手紙も多く掲載し、同会の吉田石男代表(83)は「本当の気持ちを書けない時代。行間ににじませた思いを感じ取ってほしい」と話す。
 戦争の影響で困窮する大野市内の当時の生活の体験談や、それを示す新聞記事も紹介。記事を調べた新家竹雄さん(73)は「記念誌は市民の体験談による心情的な面と記事による客観的な面から、日本が戦争に突き進んでいった様子を捉えている」と説明する。さらに「戦争による厳しい生活の上に、市内では九頭竜川の氾濫など災害も起こっていた。記事を調べているうちに侵略という気持ちではなく、食べ物を得るために旧満州(中国東北部)などに渡ったのではとの考えになった」と振り返る。
 吉田代表らは多くの中学生が海軍甲種飛行予科練習生(予科練)に志願していたことを挙げ、「時代の波に若者たちがのみ込まれ犠牲になった。現代の若者たちもコロナ禍で苦しんでいるように、いつの時代も若者たちが時代にのみ込まれる。そういう社会にしてはいけない」と話した。記念誌は一部五百円で販売している。(問)吉田代表=0779(65)3741

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