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美濃と備前 響き合う 金沢のギャラリーで二人展   

2021年9月18日 05時00分 (9月18日 10時43分更新)
二人展「響き合う陶」を開いた近藤精宏さん(左)と金重愫さん=金沢市本町のアート玄羅で

二人展「響き合う陶」を開いた近藤精宏さん(左)と金重愫さん=金沢市本町のアート玄羅で

 ◇美濃 近藤精宏さん

 ◇備前 金重愫さん


 互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、それぞれの陶の美を追究する美濃焼の近藤精宏(せいこう)さん(75)と備前焼の金重愫(まこと)(76)さんの二人展「響き合う陶」(北陸中日新聞後援)が、金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。十月三日まで。
 ともに一九四五年生まれで長年の友人同士。「出会ったのはいつだったかなぁ」と、顔を見合わせる。茶わん、花入、水指、酒器、大鉢などを持ち寄って展示。「互いの作品を見るのは刺激になる」と声をそろえる。作陶に共通するのは挑戦する姿勢だ。
 近藤さんは、新潟県柏崎市出身。陶磁学者で味わい深い作品をつくることで知られた小山冨士夫(一九〇〇〜七五年)の内弟子となり、七五年に岐阜県瑞浪市に開窯。柔らかな白色の釉薬(ゆうやく)が特徴の品格のある粉引(こひき)の世界を作り上げてきた。
 一方の金重さんは岡山県備前市生まれ。京都大農学部卒後、陶芸家の父・金重素山に師事し、七九年に独立。六古窯の中でも最も古い備前の土にこだわり、素材そのものの魅力と向き合ってきた。
 近藤さんは「釉薬といっても、原料となる灰をつくる植物によって、青みがかったり、透明感が増したり。その工程が楽しい」と言い、金重さんは「茶わんであれば気持ちよく飲めること。最近は機械で土を練る人も多いが、それでは感触が分からない」と、それぞれのこだわりを語る。
 戦時中の生まれで「陶芸をやっている人の数も少ない世代」。近藤さんは「自分の両親もそうだが、戦争で亡くなった人たちのことが常に自分の根本にある。だからこそ、自分には何ができるのかを問いながら作り続けたい」と話した。 (松岡等)

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