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きっかけは『イオン』!?…小沢大仁に聞いた「歩み」「新人王ライバル」「転機」「藤井聡太」【競馬の話をしよう】

2021年9月18日 06時00分

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小沢大仁

小沢大仁

 競馬の世界を掘り下げる企画「競馬の話をしよう。」。第11回は新人最多勝争いで激しいデッドヒートを繰り広げている愛知県瀬戸市出身の小沢大仁(だいと)騎手(18)=栗東・松永昌=を直撃した。将棋の藤井聡太三冠(19)とは同郷で同学年でもある競馬界のホープに、騎手を志したきっかけやデビューからこれまでの歩み、さらに今後の目標を聞いた。
     ◇
 ―先週は日曜中京8Rをキムケンドリームで勝って新人最多タイの20勝目。おめでとうございます
 小沢「ありがとうございます。ただ、自分としては今何勝目を気にするよりも、目の前のレースを頑張りたいという気持ちが強いので特に意識はしていませんでした。これからも乗る馬の力をうまく引き出せるよう頑張りたいです」
 ―同じ日の中山7Rで同期の永野騎手が先に20勝目を挙げていたが、ライバルへの思いは
 「自分のレースがあったので、その時は(永野)猛蔵が勝ったのは知りませんでした。ただ、普段から猛蔵が勝つと自分も頑張らないといけないなという気持ちにはなりますね」
 ―2人とも競馬とは無縁の家庭で育ったと聞いている。騎手を志したきっかけは
 「小学3年生の時に競馬場に行ったのがきっかけです。実は家の近くのイオンで中京競馬場の無料入場券を配っていたんです。それで僕が動物好きだったこともあって、せっかくならと家族全員で行きました。レースを最前列で見ていたのですが、迫力がすごく、とにかく格好良かった。その時、絶対にジョッキーになりたいと思いました」
 ―当時は習い事もたくさんしていたと聞く
 「小学校のころはいろいろ経験させてもらいました。サッカーや陸上、剣道、少林寺拳法もやりましたし、ウォーターボーイズ(アーティスティックスイミング)でショーに出たこともあります。3歳ぐらいからやっていた水泳は、平泳ぎで全国大会にも出ることができました。あとは、お茶に三味線、家がピアノ教室だったのでピアノも。何か好きなことを探そうとかそういう考えではなくて、とにかくやってみたかったという感じでしたが、そうする中で競馬に出合えたのは良かったと思います。中学の時は水泳をやっていましたが、中学卒業と同時に競馬学校に入ると決めていたので、中3で中京競馬場の少年団に入りました」
 ―競馬学校では苦労も
 「周りは乗馬を何年もやってる子ばかりで、自分は競馬学校では抜けて下手だったと思います。試験は毎回ビリでしたし、ほかの人が簡単に乗れる馬にもまともに乗れませんでした。教官にも一番怒られたと思います。それでもジョッキーになりたいという気持ちは変わりませんでした。自分が一番下手なことは自分でも分かっていましたし、周りがうまいからこそ『もっと頑張ろう』と思い続けられたのだと思います」
 ―デビューした3月6日に初出走初勝利。その日のうちに2勝目を挙げた。そこから半年を振り返って
 「デビューの日は右も左も分からない状態で緊張してました。最初はまだ何も分からない状態からのスタートでしたが、競馬に乗って先輩からいろいろなことを教えてもらううちに、馬の乗り方やレース運びをすごく考えるようになりました。ただ自分はまだ馬に勝たせてもらっている状況。うまいジョッキーは、ロスなくその馬に合った競馬をしていますからね。早く自分も馬を勝たせられるジョッキーになりたいです」
 ―助言をもらう先輩は
 「(松永昌厩舎で)兄弟子の(森)一馬さんには、厩舎実習の時からたくさんのことを教えていただいています。馬乗りのことはもちろん、普段のトレーニングについてもです。一緒にパトロールビデオを見て、分からないことを聞けば、いつも的確に教えてくれます。ゲートがあまりうまくいかなかった時は、レースの合間に一緒に木馬に乗りに行ってアドバイスもしてくれました。馬乗りの基本は全て一馬さんから聞いています。見習うところしかありません」
 ―今夏は北海道で騎乗
 「北海道に行けば、普段接点のない関東の厩舎とも関わらせてもらえますし、違った環境で競馬をすることで自分の引き出しも増やせると思いました。関東のジョッキーとお話させてもらえたのも良かったですし、あまり関わりのなかった栗東の先輩とも話す機会があって良かったです。中でも(坂井)瑠星さんは、毎週攻め馬のあとに、パトロールビデオを見ながら一緒にレースの振り返りをしてくださり、その時間が貴重でした。いろいろな刺激をもらえたので、北海道へ行って良かったです」
 ―今年の目標は
 「松永(昌)先生に恩返しという意味でも30勝をして、JRA賞を取りたいです。松永先生は厩舎実習の時からたくさん馬に乗せてくださり、普段は家族のように思ってくれています。デビューしてすぐに重賞にも乗せてくださいました。だからこそ早く立派なジョッキーになって活躍することが、先生への恩返しだと思っています。だから今年は(最優秀障害騎手を狙う)一馬さんと2人でJRA賞を取りたいですし、将来はリーディングを争える騎手になりたいです」
 ―同郷の藤井聡太三冠のように、いずれはビッグタイトルも
 「この間も活躍をされていましたし、本当にすごいなと思います。実家に帰った時も、盛り上がりがすごかったです。僕もいずれは瀬戸の街を盛り上げられる存在になれたらと思います。面識はないのですが、いつかは対談みたいなものもしてみたいですね」
     ◇
 ▼小沢大仁(おざわ・だいと) 2003年1月4日生まれ、愛知県瀬戸市出身の18歳。水野小、水野中卒。2018年4月に競馬学校騎手課程37期生として入学し、21年2月に卒業。同年3月に松永昌博厩舎からデビュー。同6日の阪神1Rをメイショウホタルビで勝って初騎乗で勝利を飾ると、同日の12Rを自厩舎のドスハーツで勝ち、松山弘平以来史上4人目となるデビュー日2勝を達成した。5月の平安S(ドスハーツ)で重賞初騎乗(14着)。
 ▼JRA賞・最多勝利新人騎手 JRA賞の騎手部門の一つで、騎手免許を初めて取得した年に、平地および障害で30勝以上した中で最多勝の騎手に贈られる。30勝に到達しなかった場合は、該当者なしになる。新人の年間最多勝記録は、2008年に三浦皇成が記録した91勝。2位は1987年武豊の69勝。過去10年の受賞者は14年松若風馬(47勝)、15年鮫島克駿(39勝)、16年木幡巧也(45勝)、19年斎藤新(42勝)で、昨年も含めて計6度該当者なしとなっている。

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