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時効で拒否 障害年金「有効」 宝達志水の男性 逆転勝訴

2021年9月16日 05時00分 (9月16日 09時54分更新)

◇高裁金沢支部

 障害基礎年金の受給申請を続け、二十八年後に認められた石川県宝達志水町の男性が、時効を理由に拒否された分の支払いを国に求めた訴訟の控訴審判決が十五日、名古屋高裁金沢支部であり、蓮井俊治裁判長は男性の逆転勝訴を言い渡した。担当窓口を初めて訪れた日を年金請求の開始日と認め、国に対し、時効で消えていない一九八四(昭和五十九)年から二十六年九カ月分、総額約千五百五十万円の支払いを命じた。
 この男性は、会社役員藤田菊雄さん(78)。年金の申請手続きのため、八八年以降、県内外の社会保険事務所などを十二回訪れたが「初診日の診断書がなければ受け付けできない」として断られ続けた。
 一審金沢地裁判決は、藤田さんが訴えていた窓口対応の違法性を認めなかったが、蓮井裁判長は「窓口に男性が持参した身体障害者手帳を見れば、年金の受給資格があることは明らかだ」と指摘。「年金受給を断念させた対応には、違法性がある」と結論づけた。
 藤田さんはゼロ歳の時に自宅でいろりに落ち、やけどで右手の指を全て失った。二〇一六年に金沢北年金事務所(金沢市)で年金の受給が認められたが、過去五年以前の年金は「時効で消滅した」として支給されていなかった。
 藤田さんは判決後、「窓口ではこれまで全然相手にされず、温情のない対応を受けた。主張が認められ、感無量だ」と語った。

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