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開かれぬ国会 耐えがたい政治空白だ

2021年9月16日 05時00分 (9月16日 05時00分更新)
 十七日告示の自民党総裁選に向けた動きが活発化する一方、唯一の立法府である国会=写真=は閉じたままだ。山積する課題があるにもかかわらず、菅政権は野党の召集要求を拒否し続けている。耐えがたい政治空白だ。
 すでに事実上の退陣を表明している菅義偉首相が就任して、きょう十六日でちょうど一年。振り返れば菅氏は首相指名から一カ月以上、所信表明演説を行うための臨時国会を開こうとしなかった。
 今年一月に召集された通常国会が閉会したのが六月十六日。その後、野党は七月十六日、憲法五三条に基づいて臨時国会の召集を要求したが、与党側が拒否し続けたまま後継総裁選びに突入した。
 この間、新型コロナウイルスの新規感染者が一時激増し、菅氏も退陣を表明した。緊急事態宣言の発令や延長は国会の議院運営委員会に諮られたとはいえ、首相が自ら国会の場で説明を尽くしたわけではない。
 病床確保の遅れなどコロナ対策の不備や、雇用調整助成金の財源枯渇も指摘されている。こうした問題を国会で議論して、必要なら法整備や予算を措置すべきにもかかわらず、国会を開かなければ、それもできない。
 これを政治空白と言わずして、何と言う。国民の代表で構成し、国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい。
 党首選びが政党には重要であることは認めるが、それが国民の不利益になっては本末転倒だ。
 菅氏を選出した昨年の総裁選で党員・党友投票を省いたのは「政治空白を避けるため」だった。ならば党員・党友投票を行う今回の総裁選が「政治空白」になると、自ら認めたことにならないか。
 二十九日の新総裁選出後、首相指名を行う臨時国会が開かれ、新首相による所信表明演説や各党代表質問が行われる見通しだ。野党側は、予算委員会で質疑を行うなど十分な審議時間を臨時国会で確保するよう求めている。
 総選挙直前で与野党対決の様相が濃くなる国会となるだろうが、議論を尽くすという国民代表の務めから逃げてはならない。

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