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<目耳録> 不要不急

2021年9月15日 16時00分 (9月15日 16時00分更新)
 「不要不急」って何だろう。最近、そう思わせる取材があった。
 三重県四日市市で、演劇ユニットを主宰する宮璃(みやり)アリさん(45)。コロナ禍で一年以上公演を開催できない中、自宅でも演劇に親しんでもらおうと、声だけの演劇「ボイスドラマ」を制作した。
 長引く活動自粛に、一時は「表現活動って不要不急なのかな」と思い悩んだ。それでもボイスドラマに挑んだのは「自分たちにとっての生きがいでもあり、仕事でもあるから」。稽古の回数を抑えたり、収録では出演者をアクリル板で仕切ったりと「最大限の対策で臨んだ」という。
 コロナ禍だからこそ「人の心を豊かにできる芝居を届けたかった」と宮璃さん。一見、不要不急と見られがちなこうした娯楽は、誰かにとっての生活のすべで、心の支えだ。少なくとも、彼らにとっては不要不急ではない。 (尾林太郎)

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