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子の心むしばむコロナ 相談連日 全国で自殺者増 北陸の窓口団体 危機感

2021年9月15日 05時00分 (9月15日 10時08分更新)

 新型コロナウイルス禍で全国的に子どもの自殺が深刻化している。防波堤となる石川、富山両県の相談機関には連日、子どもたちから悩みが寄せられている。関係者は貧困、虐待など浮き彫りになった問題に危機感を募らせ「子どもの言葉の裏にある心の叫びを聞いて」と訴える。 (高橋雪花)
 「どうすれば良いですか」。八月、子どもの電話相談を受け付ける「とやまチャイルドライン」に、母子家庭の女児からSOSが入った。母はコロナの影響で解雇されて収入が無くなり、精神的に疲れ切って、食事を出さなくなってしまった。夏休みで給食も無く、体がやせていく。自分は我慢してきたが、小さな弟が空腹に耐えかね女児の指をしゃぶってくる。
 運営団体「とやまチャイルドライン愛ランド」(富山市)の布村武信代表理事は「電話内容を聞いて、心が痛かった。自死を選ばないかが心配だった」と振り返る。「コロナ禍で子どもが犠牲になっている」
 全国のチャイルドライン運営団体を取りまとめるNPO法人「チャイルドライン支援センター」(東京都)によると、昨年度の着信件数は十五万件超。前年度比で三万件減っているが、担当者は「感染拡大で活動場所が使えず、電話回線が減ったことが影響しているのでは」とみる。
 とやまチャイルドラインには昨年度、千二百九十七件の着信があった。そのうち、コロナ関連が何件あったかまとめていないが、貧困などの問題と組み合わさって「すごく増えている」(布村さん)という。貧困の中、父が会社を解雇され、大学進学できなかった子は「毎日死にたいと思っている。人生に絶望した」と悩んでいたという。
 「チャイルドライン・いしかわ」の運営団体「子ども夢フォーラム」(金沢市)には昨年度、五千三百八十件の着信があった。高木眞理子代表は「『死にたい』という電話は以前からあったがコロナ禍で一気に加速した感がある」と打ち明ける。貧困やドメスティックバイオレンス(DV)など背景はさまざまだといい「子どもたちに強く影響が出るのは、大人になってからかもしれない」とも指摘する。

(メモ)子どもの自殺 厚生労働省によると、2020年の小中高生の自殺者数は、前年比100人増の499人。統計のある1980年以降で最も多かった。原因・動機は多い順に「進路に関する悩み」「学業不振」「親子関係の不和」「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「病気の悩み・影響(うつ病)」と続いた。21年も7月末までで272人(暫定値)と、前年を上回るペースで推移している。


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