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わが道を行く 車中泊の魅力 コロナ禍「新たな生き方」探り 全国から

2021年9月15日 05時00分 (9月15日 10時55分更新)
トラックの荷台に積んだコンテナの中でパソコン作業をする安倍大資さん=穴水町川尻で

トラックの荷台に積んだコンテナの中でパソコン作業をする安倍大資さん=穴水町川尻で

  • トラックの荷台に積んだコンテナの中でパソコン作業をする安倍大資さん=穴水町川尻で
  • サーフボードなどを詰め込んだバンやキャンピングカーで夏休みを楽しむ池辺政人さん(右)一家=穴水町川尻で

穴水の滞在施設「バックパッカーハウス」

 今夏、キャンピングカーやバンなどの車中泊で中長期の滞在ができる穴水町川尻の施設「田舎バックパッカーハウス」には、コロナ禍での旅のスタイルを求めてさまざまな人が訪れた。密を避けながら移動でき、寝泊まりもできると話題の車中泊。新たな働き方や遊び方を模索する愛好家「バンライファー」たちの姿を通して、コロナ時代の生き方のヒントを探った。 (森本尚平)
 軽トラックの荷台に載ったコンテナ。そこが安倍大資(だいすけ)さん(36)=北九州市=の新たな「職場」だ。元日本経済新聞記者で、今年三月末に退職。取材で培ったノウハウを生かし、対話を重ねて人のやる気を引き出す「コーチング」の仕事をしながら、車中泊で全国を旅している。
 記者生活最後の取材で「バンライフ」に出会い、その魅力にひかれた。「こういう生活ができるんだ。どこでも仕事ができるんだということに取材を通して気付いた。コロナの今だからこそできるスタイル」と安倍さん。高さ百七十五センチ、幅百五十センチほどのコンテナの中でパソコン作業をし、仕事の予定が入ればオンラインで相談者とつながる。「仕事と遊びの垣根が少ない。自然体になることができる」と話す。
 千葉県松戸市の池辺政人さん(47)は八月中旬、妻と小学生の長女、長男の家族四人で滞在した。「夏休みは子どもたちのもの」がテーマ。「コロナで県外に出にくいけど、子どもたちの貴重な夏休みを無駄にしたくない」と車中泊を活用した旅を計画。海沿いの生活を体験するため、サーフボードなどをいっぱいに詰め込んだバンと寝泊まり用にレンタルしたキャンピングカーの二台を活用し、施設を拠点に約二週間、奥能登を巡った。
 一家は、スノーボードやスキーを楽しむため、冬には新潟県湯沢町に短期移住するなど二拠点生活も続ける。「子どもたちの今しかできない思い出をつくってあげたい」という思いから確立したスタイル。池辺さんは「コロナ禍での旅の方法を考え、できることをやっていきたい」と話す。
 感染対策にも気を配るのが利用者のマナー。事前にPCR検査を受けたり、ワクチン接種をしたりしてから滞在し、消毒やマスク着用はもちろん、地域住民との接触はできる限り避けるようにしている。
 コロナ禍で、車中泊ができるスポットを紹介するインターネットサイトの運営会社「Carstay(カーステイ)」では現在、スポットの数が全国で三百カ所以上に拡大。利用も右肩上がりを続ける。田舎バックパッカーハウスでも今夏延べ三十人以上が利用した。
 施設を運営する中川生馬(いくま)さん(42)は「コロナがある意味後押しとなり、リモートワークや車中泊ができる環境が広がった。その中で多くの人が独自のスタイルを模索している」と話す。県内にも十五カ所ほどの車中泊スポットがあるが「もっと登録する施設が増えてくれれば、コロナ時代の新たな旅の形が県内でも広がる」と期待する。

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