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命のバトン 岐路に立つ臓器移植 (上)「[幼い子の脳死」右面 心臓移植を望んだ4歳娘がドナーに 

2021年9月14日 05時00分 (9月14日 11時45分更新)

両親「誰かを助けるなら」




とめどなく涙流れ

 先生は言わなかったけどほぼ脳死ということだとわかった。とめどなく涙が流れた。
 六年前の冬、岐阜市の柔術家、白木大輔さん(40)は、長女優希(ゆうき)ちゃん=当時(4つ)=のそばで、フェイスブックに書き連ねていた。
 優希ちゃんに異変が起きたのは、その約三カ月前。嘔吐(おうと)が止まらず、尿が出ない。地元の病院での診断は、血液を送り出す心臓の働きが低下する拡張型心筋症。関西の大学病院に移り、補助人工心臓を付けて心臓移植を待つことになった。
 国内では、子どもへの心臓移植は年に一例あるかないか。大輔さんと妻の希佳(きか)さん(45)は、米国での移植へ向け、準備を進めた。
 しかし転院から約一カ月半後、急変した。人工心臓の中にできた血栓が脳に飛び、血管をふさいだ。「頑張れ」「帰ってきて」。夫婦で一晩中、呼び掛けた。
 「呼吸などをつかさどる脳幹が圧迫されている。これ以上、治療を続けられない」。翌朝、医師から告げられた。脳死だ。もう助からない。そう悟った瞬間、思わず尋ねていた。「他の臓器は元気なんですか」

待つ気持ち分かる

 移植を待つ家族の気持ちは、誰よりも分か...

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