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酒気帯び運転2人死傷事故 危険運転 被告が否認 福井地裁初公判

2021年9月14日 05時00分 (9月14日 09時45分更新)

 飲酒運転でパトカーの追跡を受けた末、軽乗用車に衝突して大学生二人を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(酒気帯び運転、一時不停止)の罪に問われた福井市新田塚一、会社役員坂田達磨(たつま)被告(47)の裁判員裁判の初公判が十三日、福井地裁(河村宜信裁判長)であった。坂田被告は「危険運転ではないと思います」と述べ、起訴内容を一部否認した。
 坂田被告が進行の制御が困難な高速度で運転していたか、その認識があったかの二点が争点。検察側は危険運転が認められない場合に備え、法定刑の軽い過失運転で罪が問えるよう手続きし、坂田被告は過失運転については認めた。
 検察側は冒頭陳述で、時速百五キロまで加速して事故を起こし、極めて危険な運転で「進行の制御が困難な高速度だった」と指摘した。遺族らに慰謝料の支払いもなく「不誠実で反省も認められない」と非難した。
 弁護側はドライブレコーダーの映像から、被告の車は蛇行せず直進していたとして、進行制御が困難な速度ではなく、過失運転にとどまると主張した。
 起訴状などによると、二〇二〇年十一月二十七日午前二時ごろ、福井市内で酒気を帯びて乗用車を運転し、パトカーに追跡され一時停止の道路標識を四回無視した上、時速約百五キロまで加速、市道交差点で軽乗用車に衝突し、助手席の塩崎里桜(りお)さん=当時(18)=を死亡させ、運転していた渡辺喜一さん(21)に重傷を負わせたとされる。

「一生かかってでも償って」 遺族、証言台で訴え

 「ひまわりのような性格の子」。事故で犠牲になった大学生塩崎里桜さんの父親が被害者参加制度に基づいて、坂田達磨被告の公判に参加し、証言台で娘を失った悲しみを吐露した。「(坂田被告を)本当に許せない。『里桜を返してほしい』と言いたいが、それはかなわない。一生かかってでも償ってほしい」と静かに訴えた。
 父親によると、里桜さんは明るい性格で友だちが多く、高校時代はバンド活動などに熱心だった。将来は化粧品開発の仕事に憧れ、三重県内の実家を離れて福井大工学部に進学した。
 家族と最後に連絡を取ったのは事故の三日ほど前。年末に帰省するため、日程の相談をしたが、実現はしなかった。「里桜はやりたいことがいろいろあったと思う。少しでも無念さを晴らしたい」と、公判に参加した理由を話した。
 事故から約十カ月たつが、今でも遺品の整理はできない。「心の整理がつかない。里桜が帰ってこないと分かっているけれど、受け入れられない」と胸の内を明かした。「身勝手なのは明らか」と坂田被告の犯行に憤り、「気持ちとしては一生刑務所に入っていてほしい。二度と運転をしないでほしい」と厳罰を求めた。 (成田真美)

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