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壁のひび 金継ぎでアート 雨の多さ 魅力に

2021年9月14日 05時00分 (9月14日 10時21分更新)
土壁のひび割れに金継ぎを施している「かなざわ娘」のメンバー=金沢市小橋町で

土壁のひび割れに金継ぎを施している「かなざわ娘」のメンバー=金沢市小橋町で

  • 土壁のひび割れに金継ぎを施している「かなざわ娘」のメンバー=金沢市小橋町で
  • 「かなざわ娘」が金継ぎで壁の修復を施している「Kanazawa旅音」=金沢市小橋町で

「かなざわ娘」宿泊施設修復

 金沢市の魅力を全国に発信しようと活動する県内の大学に通う女子大生の団体「かなざわ娘(むすめ)」が、欠けた器を修復する技法「金継(きんつ)ぎ」を用い、市内の宿泊施設のコンクリート壁や土壁にできたひびを修復している。見た目の美しさからアートとして認識されることもある金継ぎ。ひび割れには、雨の多い金沢の天候が関係しており、「雨の多さを金沢の欠点と考える人もいるかもしれないが、それを魅力にできれば」と意気込む。 (郷司駿成)
 壁のひびに、筆を使って漆を塗り、金粉を付けていく。メンバーの八人は現在、同市小橋町の宿泊施設「Kanazawa旅音(たびね)」を含めた二カ所の宿泊施設で、漆芸作家に方法を教わりながら、修復作業に取り組んでいる。
 金継ぎは欠けたり、ひびが入ったりした陶器を漆で接着してから金などの金属粉で装飾する技法で、今回の企画を発案したのは金沢美術工芸大に通う三橋真子さん(20)=二年。大学で学ぶ木彫のひび割れから、何げなく町の壁や道路のひびに目が行くようになったといい、原因を調べてみると、金沢の天気の悪さに起因する水分量の変化だと分かった。
 「雨が多いのと金箔(きんぱく)は金沢のアイデンティティー。二つを関連させることで、その個性をより説得力のあるものにできれば」。三橋さんは、建物にあるひびの修復に金継ぎを応用しようと思った理由をこう明かす。
 メンバーのうち県外出身者が六人を占めるかなざわ娘だが、県外だからこそ気付く魅力もあるという。
 岐阜県出身の水田朱音(あかね)さん(19)=金沢大一年=は、自分が暮らしていた自治体と比べ、金沢市の文化事業に対する支出の多さに「文化を大事にしている」と感動した。
 現在は、室内の壁を修復しているが、いずれは外壁や道路に金継ぎを施したいと考えている。多くの人の目に留まるためだ。ただ、道路の修復は市の許可がないとできないため、代表の北村真悠(まゆ)さん(21)=県立大三年=は「まずは活動を認知してもらって、いずれは市の協力が得られれば」と願っている。

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