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節目に友情のハーモニー 県立音楽堂開館20周年

2021年9月14日 05時00分 (9月14日 10時25分更新)

アンコール曲の演奏を終え、聴衆の拍手に応える(前列左から)川瀬賢太郎さん、池辺晋一郎さん、山田和樹さん=金沢市の県立音楽堂で

◇OEKと仙台フィル

 金沢市の県立音楽堂開館20周年を記念する式典とコンサートが12日、音楽堂コンサートホールであった。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と、10年前の東日本大震災直後にOEKの招きで同ホールで共に演奏した仙台フィルハーモニー管弦楽団との合同演奏で音楽堂の節目を祝った。 (松岡等)
 仙台フィルは二〇一一年三月十一日の震災当時、仙台市の拠点ホールで練習中に被災。オーケストラとしての活動が再開できずにいた四月、震災後初めてフルオーケストラで演奏したのが音楽堂だった。
 仙台フィルの我妻雅崇さんは「仙台フィルにとってOEKは恩人。あの時の金沢の皆さんのスタンディングオベーションと『がんばれ仙台!』という掛け声は絶対に忘れられない」と話す。仙台フィルは十年ぶりの音楽堂で、武満徹さんの「波の盆」を情感を込めて演奏した。
 この日は、両オケでミュージック・パートナーを務めた経験のある山田和樹さん、OEK常任客演指揮者の川瀬賢太郎さんが交互に指揮。両オケそれぞれが“持ちネタ”にするNHK大河ドラマのテーマ曲「独眼竜政宗」と「利家とまつ」も披露した。百人規模の合同演奏でサンサーンスの交響曲第三番オルガン付の第二楽章が壮麗に奏でられ、アンコールでは両オケと客席のハミングが一体となった「夕焼小焼」でホールの節目を締めくくった。
  ◇     ◇     ◇ 
 音楽堂は二十周年記念事業として、十月三十日、邦楽監督に就任した能楽師野村萬斎さんの父子三代による記念公演、十一月三日に県民オーケストラとOEK合同のスペシャルコンサートも予定している。

県立音楽堂開館20周年記念式典で表彰されるピアニストの木村かをりさん=金沢市の県立音楽堂で

▽9.11翌日 故岩城さんが追悼の調べ
▽妻・木村さんら表彰

 県立音楽堂の開館は二〇〇一年九月十二日。世界を震撼(しんかん)させた米中枢同時テロの翌日だった。開館の祝祭ムードがはばかられる中、当時のOEK音楽監督で、音楽堂創設に尽力した故岩城宏之さんは、開館式典のコンサートの冒頭に急きょバッハのG線上のアリアを演奏し、犠牲者を追悼したという。
 それからちょうど二十年の記念コンサート。OEKと仙台フィルが合同演奏したバルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」の選曲は、打楽器奏者でもあった岩城さんへのオマージュ。岩城夫人のピアニスト木村かをりさんもステージに上がった。コンサートで司会をした池辺晋一郎・音楽堂洋楽監督は、岩城さんの功績をたたえた。
 コンサートに先立つ記念式展では、岩城さんの遺志を受けて若手音楽家を顕彰する岩城宏之音楽賞を創設するなどした木村さんと、「いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭」の実行委員会長を務めた前田利祐さんの二人が特別功労者として表彰された。 (松岡等)

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