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今日の失敗を明日へ生かせ…中日・福留が18歳を導く同点弾 偉大な先輩追って土田が駆け上がる“一流への階段”

2021年9月13日 10時07分

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6回表無死、代打宮本の打球を落とし、この試合2失策。厳しい表情を見せる二塁手土田=12日

6回表無死、代打宮本の打球を落とし、この試合2失策。厳しい表情を見せる二塁手土田=12日

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇12日 中日9―5ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)
 18歳の失敗を44歳が帳消しにした。初先発・土田の失策から始まった試合は、早々に4点を追う展開だった。中日の得点力を考えれば、絶望でしかなかったのに…。7回に福留の2ランで追いつき、8回に木下拓のソロで勝ち越し、大島とビシエドが突き放した。
 打っては2三振。守っては2失策。ほろ苦い初先発となった土田だが、目に見える結果とは真逆に希望と期待が膨らんだ。恐れずに振っていく積極性。失敗に悔しさをにじませる向上心。それは球界最年長の福留も感じていたはずだ。
 「ミスもありましたけど、僕らでも死ぬほどやってきた。当たり前のこと。それよりも明日。彼がどうしていくのか。自分で気付くのか。周りに言われるのか。そういう姿勢の方が大事なんです」
 あるいは22年前の自分を重ねて話したのかもしれない。1999年。攻守の失敗を、彼は「明日」へとつなげた。打っては新人記録を更新する121三振。守っては二塁(1)、三塁(4)、遊撃(13)、外野(1)の19失策。両リーグ最多の「失策王」だった。
 「福留がショートを守っている限り、ドラゴンズの優勝はない」。開幕前の段階で、ある大御所評論家が酷評した。それを耳にした星野仙一監督は、不敵に笑ってこう言った。
 「みんなワシの性格がわかってないのう。ますます闘志が沸いてきたわ」。守備に難があるのはわかっていたが、福留を内野で使い続けた上でペナントを握った。指導者の決断と忍耐が、人材を育てた好例だ。
 福留だけではない。史上最高の二塁手として、昨季は前人未到のシーズン無失策を記録した菊池涼(広島)は、レギュラーに定着した2年目(2013年)に、二塁手として両リーグワーストの18失策を記録した。「今日」の失敗を「明日」へ生かした人間が、一流への階段を駆け上がる。いつの日か、土田も若手の失敗を温かい目で見守り、笑い飛ばしているはずだ。

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