本文へ移動

【石川】苦境の美大生 応援の場に コロナ禍 HPで発表、販売して

2021年9月12日 05時00分 (9月13日 09時53分更新)
それぞれの作品を手に会社設立の思いを語る秋山雅貴さん(右)と龍ケ江耀介さん=金沢市内で

それぞれの作品を手に会社設立の思いを語る秋山雅貴さん(右)と龍ケ江耀介さん=金沢市内で

金美大院生ら起業し開設

 コロナ禍で、制作した作品を発表する場を失った美大生を応援しようと、金沢美術工芸大大学院(金沢市)の学生らが会社を名古屋市東区に設立した。ホームページ(HP)で、作品を紹介し販売することで、生活に困る学生を支援する。美大生の強みを生かし、アートで苦境を切り開こうとしている。(高橋雪花)
 絵画が溶け出したような石こうの彫刻、赤や青の油絵の具で彩られたマスク姿の肖像画−。HPには、金沢美大生ら十六人の約百五十点の画像が並び、さながらオンライン上の美術館だ。希望者は専用フォームから購入を依頼できるほか、気に入った出品者に制作の注文もできる。出品者が過去に制作した作品の画像も参考にアップしている。
 「コロナ禍という時代の転換点に、今こそ起業だと」。金沢美大大学院修士二年で油絵を専攻する秋山雅貴さん(25)は話す。奈良県出身で、生活費を自力で稼いでいたが、昨年春、バイトの日数が減り窮地に。絵の具も買い足せなかった。同じような境遇の美大生がおり、美術館の休館などにより発表する機会も失い、危機感を募らせていた。
 秋山さんら有志は昨年六月からネットで寄付を集める「クラウドファンディング(CF)」を開始。返礼品として学生の作品を贈ったところ好評で、五カ月間で約六十万円を集めた。
 これを発展させようと秋山さんは、同じ奈良県出身の幼なじみで、福井県立大で経営学を学んだ会社員永井拓人さん(25)=名古屋市=に相談し、起業することに。二人とも社長に就いた。会社名を「aQ−studio(エーキュースタジオ)」として今年五月に法人登記した。「アートへのクエスチョン(疑問)に答えたい」と名付けた。仲介料として作品の売値の三割を請求する。
 金沢美大大学院修士二年で彫刻を専攻する龍ケ江耀介さん(23)も副社長として参加。金沢市内で制作を続ける秋山さんと龍ケ江さんは作品をアップし、HPの充実を目指す。希望する美大生は無料で出品できる。
 美大生は大作を手掛けても、保管する場所が無く売り方も分からないため、作るたびに捨ててしまう事情もあり、秋山さんは「作品は自ら生み出した子どものような物なのに、もったいない」と語る。龍ケ江さんは「日本の美大はどこも同じような状況。学生をはじめ参加アーティストを増やしてつながり、皆で解決できたら」と話している。
◇aQ−studioのホームページはこちらから=

関連キーワード

PR情報

北陸発の新着

記事一覧