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八木(敦賀高出身) ドラフトに名乗り 大学、社会人で努力開花 最速154キロ

2021年9月12日 05時00分 (9月12日 10時31分更新)
最速154キロの速球を武器にドラフト指名候補へと成長した八木=ホンダ鈴鹿提供

最速154キロの速球を武器にドラフト指名候補へと成長した八木=ホンダ鈴鹿提供

 最速154キロの速球を武器に、成り上がってきた豪腕がいる。甲子園に出場できなかった敦賀高時代から球速は12キロ伸び、社会人野球の強豪・ホンダ鈴鹿に所属する八木玲於だ。一カ月後に迫るドラフト会議でも指名候補に挙がり、夢にも思わなかった現実を歩んでいる。 (谷出知謙)
 野球は高校で終えるつもりだった。当時の最速は142キロ。本格派右腕の八木を軸にチームは二枚看板を形成して春の県大会で四強入りし、シードで臨んだ最後の夏は二回戦で散った。もう一人のエースが力投し、延長十二回に及ぶ投手戦。代えるに代えられない展開で、マウンドに立つことはなかった。「これで終わったなあと。大学で野球はしんどいし、絶対しないと思っていた」
 吉長珠輝監督は説得を続けた。「体が強く、伸びしろもある。なにより保護者も望んでいたから」。学校で、そして時には自宅に行って話をした。「先生としても悔いがある、おまえはもっとできる」。そんな言葉に動かされ、名門・天理大のセレクションを受けることになった。落選すれば野球をやめることが条件。セレクションの前日は軽くキャッチボールしただけ。それでも、合格した。
 「将来こいつは150キロを投げる」。投球を見た大学の監督は、掘り出し物を見つけたかのように喜んだという。決意を固め、大学に進学すると周りは有名校出身者ばかり。「ここで試合で投げないと、福井から出てきた意味がない」と必死に食らい付いた。全体練習後も走り込み、下半身をいじめた。同期の中ではひときわ早く、二年生の秋のリーグ戦で先発。直球は152キロを計測した。「夢みたいな数字。自分にびっくりした」。努力が花開いた。
 二〇二〇年にホンダ鈴鹿に入社。「本能的な投球」と力で押したこれまでに比べ、配球を考え変化球の精度も増した。社会人二年目はドラフト解禁年。「今年が勝負」と力を込める。十五日から始まる都市対抗野球の東海地区二次予選は、評価を高める絶好の場だ。「あまり意識せず、自分の投球をしたい」と闘志を内に秘める。

 八木玲於(やぎ・れお) 敦賀市出身。指導者だった父の影響で旧咸新小1年の時に野球を始めた。角鹿中から敦賀高へ進み、本格的に投手でプレー。天理大では2年秋からリーグ戦で先発し、3年春にはベストナインに選出された。ホンダ鈴鹿では力強い直球を武器にリリーフで活躍。昨年の都市対抗野球東海地区二次予選で好救援し、本大会出場に貢献した。右投げ、右打ち。177センチ、86キロ。23歳。


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