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<私の自信作> 無数の穴でリアルに 増田実さん(73)小牧市古雅

2021年9月12日 05時00分 (9月12日 10時20分更新)
虎

  • 虎
  • 丸きりを手に作品作りに励む増田さん=小牧市古雅4で
 着物を染める際に使われる伝統工芸品の伊勢型紙は、素材となる型地紙という厚手の和紙を丸きりやナイフで彫って模様を表現します。鑑賞用の作品作りを小牧市の篠岡(しのおか)地区で教えています。ご紹介するのは、丸きりで無数の穴を開け、来年の干支(えと)の虎を浮かび上がらせた一枚。リアルさを追求し、生き生きした「目」を入れることができました。
 虎の写真を白黒で拡大コピーして型地紙の上に置き、穴の大きさや密度を変えて色の濃淡を出します。道具は丸きりだけにこだわり、二十種類を使い分けます。穴の数は数えたことがないですが、完成までに三カ月間彫り続けているので、一万や二万では済まないはず。完成後に、あらかじめ着色した厚紙の上に置き、色を透かしています。
 一番気を使うのは、最後の目を入れる瞬間。瞳の輝きを、どの位置に、どの大きさの穴で表現するか。作品全体の生命感に直結するので、ここで失敗すると数カ月が水の泡。顔は一気に仕上げ、徹夜の作業になることもあります。
 定年まで市内で小中学校の教員をしていました。伊勢型紙と出合ったのは、校長になってから三年目の四十九歳の時です。妻が本場の三重県鈴鹿市出身で、義父母が...

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