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[東京マラソン]沿道に7万2000人、例年の10分の1… どこか悲しい、コロナがにくい

2020年3月2日 02時00分

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大勢の人たちからの歓声の中、ゴールを目指す大迫傑=東京都千代田区で(由木直子撮影)

大勢の人たちからの歓声の中、ゴールを目指す大迫傑=東京都千代田区で(由木直子撮影)

◇満薗文博「光と影と」

 短い言葉に、苦渋がにじんだ。バイク上から、ペースメーカーに指示を与え続けた早野忠昭レースディレクター(61)が言った。
 「ランナーも沿道もいっぱいの中でやりたかった。それを『いい』と言えない苦しさがありました」
 新型コロナウイルスがもたらしたのは、異例ずくめの大会だった。主催者の東京マラソン財団は、特別に会見の場を設け、この日の沿道の観衆を7万2000人と発表した。昨年は氷雨の中でも80万人が繰り出した。例年は100万人規模の観衆が大東京の沿道を埋める。「今年は10分の1以下でした」と、財団の大森文秋事務局長が言う。開催に踏み切った財団、共催する日本陸連は、沿道での応援自粛を呼び掛けてきた。この日も、浅草、東京駅など名所で自粛の「声掛け」を行った。例年よりも93万人減ったことを、多いと見るか、少ないと見るかは意見が分かれるだろう。
 出場したランナーには、スタート前に医者立ち会いの下で検温が課され、大会を支える人たち、報道陣にはマスク着用が義務付けられた。この日のために用意されたマスクは7万枚、消毒液は200リットルだった。財団は「残った分は、医療機関や福祉施設に寄付します」と発表したが、どこか悲しい。コロナウイルスがにくい。 (スポーツジャーナリスト)

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