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高齢者見守る電球 ON 長時間の点灯・消灯 町会長らに通知

2021年9月11日 05時00分 (9月11日 10時09分更新)
1人暮らしの高齢者の安否を確認するため、試験的に導入した見守り電球。長時間、点灯や消灯が続くとスマートフォンなどに警告が通知される=金沢市野町で

1人暮らしの高齢者の安否を確認するため、試験的に導入した見守り電球。長時間、点灯や消灯が続くとスマートフォンなどに警告が通知される=金沢市野町で

◇金沢・野町 IoT活用

 1人暮らしの高齢者の安否をすばやく確認するため、金沢市野町社会福祉協議会は、通信機器を内蔵した「見守り電球」の活用を試験的に始めた。対象者の自宅に設けた電球が長時間ついたままか、消えた状態が続くと、遠くに住む家族や町会長らに自動で連絡が届く。新型コロナウイルスの感染拡大で地域の見守り活動も制限される中、デジタル技術を使って暮らしの安全安心の確保を模索する。(郷司駿成、写真も)
 導入したのはIoT(モノのインターネット)電球で、市内のソフトウエア会社「シーピーユー」が開発した自治会支援アプリ「結(ゆい)ネット」と連動し、NTT西日本が管理。八時間連続の点灯か、二十四時間連続の消灯が続くと、事前に登録した家族や町会長、民生委員のスマートフォンやタブレット端末に警告が通知される。通知を受けた人たちは短文で会話するアプリのチャット機能を使って連絡を取り、高齢者の自宅に駆けつける。来春まで試験的に運用し、実効性を確かめる。
 野町の協議会は八月初旬までに、一人暮らしの高齢者十九人の自宅に一つずつ電球を設置。トイレや洗面所、風呂場などで使ってもらっている。設置から一カ月ほどで五件の警告通知があったが、いずれも単に点灯や消灯状態が続いたためで、本人は無事だった。
 背景には、高齢化に加え、コロナ禍で地域行事が開けず互いに顔を見る機会も減った事情がある。協議会によると民生委員が高齢者の自宅を訪問して安否を確認する見守り活動をしようにも、一定の距離を取るなど接触を避ける必要があり、難しいのが現状。
 昨年夏には、野町地区に住む八十代の女性が自宅で倒れているところを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。「民生委員は大きなショックを受けていた」。協議会の杉岡利正会長(79)は振り返る。
 野町地区は、町会費を払っている約千五百世帯のうち、七十五歳以上の一人暮らし世帯が一割強の約二百世帯に及び、六十五歳以上の人口は三割を超える。杉岡会長は「高齢化の進む町で、この取り組みを広げていきたい」と話す。来年三月末までは、無料で電球を設置でき、それ以降は定額制となるという。

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