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<わけあり記者がいく> 東京パラの陰で障害者訴え棄却 「多様性」こそ未来の種

2021年9月9日 05時00分 (9月9日 05時00分更新)
東京パラリンピック女子マラソン(視覚障害T12)で優勝した道下美里選手(左)と伴走者の志田淳さん=東京都内で

東京パラリンピック女子マラソン(視覚障害T12)で優勝した道下美里選手(左)と伴走者の志田淳さん=東京都内で

 先月三十日の午前十一時すぎ。「わけあり記者」こと私、三浦耕喜(51)は、愛知県内の総合病院の待合室にいた。大阪高裁で間もなく下される判決の一報を、携帯電話を片手に待っていた。
 早朝に飲んだパーキンソン薬の効果は薄れつつあった。筋肉の動きが鈍り、このままでは、ろれつの回らない口調で話すことになる。それでは診察も、電話のやりとりもままならない。脳内の神経伝達物質を補うメインの錠剤は、私の場合、一日に六錠まで。その四錠目を口に入れた。
 その裁判とは「代筆投票訴訟」の控訴審。先天性脳性まひのある大阪府豊中市の男性(49)が二〇一七年に提訴し、障害者支援の在り方を問題提起した。
 判決は折しも、障害者スポーツの祭典、東京パラリンピック開催中。手のない選手、脚でも、ひざ下がない選手、付け根からない選手等、さまざまだ。変な言い方だが、その障害のバラエティーの豊かさに、私は神々しい美しささえ感じていた。
 だが、判決の一報に、ずっこけた。男性が再び敗訴。「ハンディを負う者は、体の動かし方だけでなく、意思の表し方も千差万別。それが理解できるのは家族であったり、長年世話になったヘルパーであることが多い。そう...

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