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五輪延期の1年で「選手を別人に仕立て上げる」テコンドー日本代表4人は変えず徹底的に鍛えるチャンス

2020年4月13日 23時20分

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テコンドー女子49キロ級の山田美諭(手前)を見守る金井洋監督

テコンドー女子49キロ級の山田美諭(手前)を見守る金井洋監督

 不測の事態を追い風に変える。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で1年延期となった東京五輪へ向け、テコンドーは6日にオンラインによる理事会を開き、内定済みの男女4選手の出場権維持を早々と決めた。そのうち3人が練習拠点を置く大東大の金井洋監督(46)は「この1年で選手を変身させる」。番狂わせが起きやすい競技の特性も生かし、メダル獲得へ選手を鍛え直す。
 「1年」をいかに過ごすか。大きな課題にテコンドーは方向性を示した。再選考より、選出済みの4人を徹底的に強化する。金井監督は延期によるプラスの側面を強調した。
 「五輪に向けて選手を別人に仕立て上げる。今夏なら突貫工事になってしまう面もあったが、延期で時間はできた」
 「変身」「別人」のキーワードには背景がある。2016年リオデジャネイロ五輪。テコンドーではコートジボワールとヨルダンが全競技を通じて同国史上初の金メダルを獲得した。金井監督は「ランキング通りの結果になった階級は少ない。ポッとでてきた選手には対策が立てにくい」。戦い方次第で逆に伏兵にもチャンスがあるとした。
 現状でメダルに近いとされるのは2018年アジア大会銅の女子49キロ級・山田美諭(26)=城北信用金庫=だが、昨年の世界選手権では3回戦で敗れた。大学時代から長く指導する金井監督は「山田はイコール前脚(左足)と思われている。それ以外で点が取れれば」。
 左足をジャブのように上下へ打ち分ける従来のスタイルに、回転技などをプラスする。「山田には『このタイミングでその蹴りがくるの?』というところがある」。意外性に磨きをかけ、世界トップの韓国やタイの打倒を目指す。
 同じく教え子の男子58キロ級の鈴木セルヒオ(25)=東京書籍=と68キロ級のリカルド(19)=大東大=兄弟も大化けの可能性を秘めていると言う。日本人の父とボリビア人の母を持つハーフで、「セルヒオには詰め将棋のような戦術眼がある。リカルドはベンツ。パワーが桁外れ」。
 19年には強化方針などを巡り、協会と選手の対立が表沙汰になった。金井監督は「五輪では4人でメダル2つは狙える。(テコンドー界が)こんな状況だからこそ、そこに向かっていかなければ」。場外戦で浴びた注目を声援へと変えたい。
 ▽鈴木セルヒオ「またチャンスが巡ってきたことを当たり前とは思わない。延びた期間を最大限に活用する。東京五輪で戦うことに責任と誇りを持ち、必ず金メダルをとる」
 ▽鈴木リカルド「内定選手の変更をしないという決断して頂き、ありがとうございます。期待を裏切らないよう、一日も無駄にすることなく努力を続ける」
 ▽山田美諭「選考のやり直しを覚悟していた。本当にありがたい。練習は難しい状況だが、日々やるべきことをやっていく。強化期間が長くなったと前向きにとらえたい」
 ▽浜田真由(ミキハウス、女子57キロ級)「1年先になった大会でも、試合当日に自分のスタイルを出せるよう心も体もばっちり合わせたい。今は安心して外に出られるようになることを願っています」

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